社内slackで、「良いエンジニアを採用するにはどうしたらいいか」の記事で少し盛り上がったので、こっちにも書いておきたくなった。
カンファレンスではたいてい企業スポンサーを募っています。ここでスポンサーに名乗りを上げると知名度向上が期待できます。例えば日本最大のRubyカンファレンスであるRubyKaigiをスポンサーしたら「この会社はRubyに力を入れているのだな」と認知されるでしょう。しかし、単にスポンサーをしただけだと効果は限定的です。
BASE社でCTOにならせてもらってから、PHPカンファレンスやPAY.JP立ち上げ期には、僕の方でPyCon JPにスポンサーとして携わらせてもらったりしました。スポンサーになること自体は、お金さえ出せれば簡単なのですが、ブースを出して、1日張り付いているのも結構難しく、最近はちょっと疲れて手を抜いていたら、カンファレンス活動に積極的なメンバーが何人か入社してくれて、社名つきで登壇させてもらう機会が増えていたり、それに伴ってかスポンサーに出させてもらっていたり、ほんと助かっています。
今年は、PHPカンファレンスのスケジュールを押さえたので会場に行きますね。あと来年のCakeFestは暴れるぞーw
…はともかく、ほんとおっしゃる通りで、カンファレンスの企業スポンサーに対する考え方は2つあると思っていまして、
1.いわゆる広告手段としてのスポンサー
2.カンファレンス運営メンバーへのせめてもの貢献
があるかなと。
まず広告手段としてのスポンサーに対する考え方ですが、
一般的に、広告というのはブランドを構築するための手段ではなく、「すでにブランドを持っている会社が、他社に差別化する手段」と言われていたりします。要はコカ・コーラという誰しもが親しみやすい商品があるからこそ、ライバルに負けないようにCMを出すという構図です。何故コカ・コーラという誰しもが知ってる商品を、一々広告しなくてはいけないのか?というのは、どんどん新製品が出てくる中で忘れられないように、競合他社に負けないためのディフェンスのコストであると考えることが可能です。
これをカンファレンスに適用すると、もっともスポンサーのROIが高い状態は、オープンソースへの貢献をしているケース、技術ブロクなどで共有情報をシェアしているケース、そしてカンファレンスへの登壇をするメンバーがいる時などです。こういう時に全力でスポンサーに出すのがもっとも効果が高くなるというもので、それがなく、ただのスポンサーだけだと広告効果は限られてしまいます。
しかし、だからといって、スポンサーをやらないというのも損で、この状況をポジティブに考える方法が、
2.運営への貢献としてのスポンサー
という考え方です。
カンファレンスに登壇する人や、イベントスタッフは、本当に多くの自分たちの時間をカンファレンスの実現にコミットしています。それに対して、スポンサーはある意味お金を出すだけの存在ですので、簡単ちゃ簡単です。でも、だからこそ、せめてもの貢献としてスポンサーとして出させてもらう。そう考えると、別に対価としての広告枠や、イベントブースというのは、実は、ある意味どうでもよかったりはします。
でも、せっかく準備いただいてるわけですから、その機会は十分に活かさせてもらいたいですし、それを望んでイベント設計をされているわけで、しっかり話に乗って賑わいを出すのに貢献するという考え方でしょうかね。テンション低く、お金だけ出して終わるのも気分のよくない印象を与えてしまいます。
なのでイベントスポンサーで人を採用しようというのは、僕は全く考えていなくて、ありうるとすれば、もしも誰かが転職しようとした時に、例えば転職エージェントさんに何社かの社名リストを並べられた時に、あぁBASEって会社、PHPカンファレンスで見たなぁ、などと想起してもらえばそれで十分かと思っています。
そういう想起の蓄積が、しいては「とりあえず会ってみよう」となって、採用チャンスが増えるという理屈だと思います。
そもそも必ずしもpublic repositoryで目立っているエンジニアが欲しいわけではなくて、今いる会社や携わっている案件のprivate repositoryで活躍しているエンジニアが新たな機会を目指した時に当社に来ていただくのが一番良いかなと思いますので、そういう人がチャレンジしたいと思ってもらうことが一番大切かなと僕は思っていたりはします。
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