巷に出てくる新しい製品買わない記事ってのは嫌いなんですが、ポジティブな気持ちでiPhoneの新機種を買わない選択をしたのでメモとして残しておく。
「次の10年」を支えるとして登場したiPhone Xはフライングの製品だったと考えています。iPhoneの象徴であるタッチボタンをなくして、スワイプベースのナビゲーションに変えたり、未だに賛否両論のノッチをつけてまで画面を見る顔を撮影するためのカメラをつけてFace IDを実現したりと野心的な製品だったと思います。
スワイプベースのナビゲーションは、もともと、僕がスワイプベースナビゲーションが好きだってのもあるのですが、割と自然な使い勝手で特に大きく困ることなく自然に受け入れられたし、Face IDのおかげで通知表示をセキュアなタイムラインとして使えるようになって、特に会社のSlackなどの大量のタイムライン情報摂取の効率が革命的に向上しました。
一方で、iPhone8などの既存ラインナップと並行して存在するiPhone Xは、まだまだオルタナティブな存在だったことは否めなせん。Storyboardを軽視してきたりゲームのように画面を作り込んでるiPhoneアプリ開発者は、ステータスバーなどのサイズ変更などのディフェンスタスクにアプリのアップデートを追われた人はいたかもしれませんが、iPhone Xならでわの次世代機能を兼ね備えたアプリは特にヒットしていないという、僕の認識です。(知らなかったらごめんなさい。少なくとも僕は活かせてなくて)
iPhone Xはフライングで登場し、市場のマーケットフィットを探るために1年早く楽しめた製品だったと思うので、ようやく今回のモデルチェンジで、「iPhoneXのようなiPhone」が主流になります。この後に、iPhoneXらしいアプリ、例えばニューラルエンジン、AR等のフィーチャーを活用して、日常利用できるようなAIアプリが出てくるのを期待しています。
キラーアプリが登場したその段階で、iPhoneXでは性能が足りない!iPhoneXsじゃないとダメだ!となったら、今すぐにでもiPhoneXsを買うつもりはあるわけですが、現状のXは市場に対してフライングで出ている扱いなので、まだまだこれから。それよりも他の人達が、iPhoneXs / XRを買うのでしょうから、スタンダードは徐々に「次の10年」に向けて切り替わっていくことをよろこばしく思っています。
以上の理由からかなりポジティブに次への実用的な提案を待っている状態なので、さらにオーバースペック状態にあたる次世代機が登場しても、まだ買い換える必要はないなと。
『毎年買い替えなくていい。前年モデルとの差別化などのために製品を作るのではなく、ただ優れた製品を作りたい』という姿勢で製品を作るから、前年モデルと大きく変わった形や突飛な機能は付かない。
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この記事にもある通りユーザーがiPhoneを使い続けることが一番、重要なのだと思います。
iPhone Xが10万円を越えた段階で、そういうモードに移ったものだと期待していたので、今回の進化はある意味期待通りでした。今後は、2年に1回ぐらいの買い替えのライフサイクルで進化していきつつ、たまにどこかで非連続な進化が起きて、その時に熱狂できればそれで十分なんじゃないですか?
それがNext Generationを支えるスタンダードとしてのコンピュータのありようかと。
ビットコインもボラタリティが高いほうが面白いけど、普遍の価値として相場が期待可能な状態になってからが実用性の本番!みたいな話に近いのかと。
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