エンジニアフレンドリーシティ福岡のキックオフイベントで基調講演をさせていただきました

福岡市と福岡のエンジニアコミュニティの人たちが中心になって開かれた「エンジニアフレンドリーシティ福岡」のキックオフイベントで基調講演をさせていただきました、というメモ

当日の資料はこちら

「エンジニアが福岡で働きたいと思うようなまちづくりを目指す」というテーマで今後取り組みをしていくという宣言でした。

【福岡】福岡市がエンジニアフレンドリーシティ宣言

席が高島市長のとなりだったので、引きの絵では僭越ながら僕の姿も出ています。最初の画面にペパボのmatsumotoryさんが入ってますね。

今回、お話させていただくにあたって、自分の去年と今年のエンジニア採用に関するメモを見てみたんですが、昨年が224人、今年は80人、面接をしたというメモが入っていました。

特に昨年は一次面接からできる限りCTOが出るというスタイルをやってきて、それなりに多い人数を面接してきたんじゃないかと思います。ようやく最近、技術経営を担うCTO室を作れるぐらいメンバーが充実してきたので、1次、2次を分担して面接をやるようになりかなり楽になりました。

実際、昨年の今頃は社内外の面接が多すぎたこと、大学院の学位取得の佳境でCTO 70人インタビューなどをしていたこと、漫画喫茶で論文を書いた後にゴールデン街で飲むことを覚えてしまったのも相まってではありますが、もともと弱かった喉を痛めてしまい、高熱が続き人生初入院などもやらかしてしまって、相応のハードモードでした。

福岡の話に戻しますと、どうしても地域でまちづくりとなると、外からの誘致という側面も出てきてしまうのは否めないところで、こちらの記事の論点には多かれ少なかれ感覚的な批判が集まっていました。

一風堂接待でエンジニア「囲い込み」メルカリ、LINEも進出の福岡市

福岡市が次の成長フェーズに入れるか。それは、全国各地で奪い合うエンジニア人材を確保できるかどうかに、かかっている。

僕の観測範囲では、この一番最後の1行の評判が悪かったです。

まるでゼロサムのエンジニア市場の中で大きな企業が札束で殴るという構図のように受け取られると、あまり好まれるものではありません。資本主義でその行為そのものは正当化されてしまうからこそ、あまり感情的に見たいものではありません。甲子園で大阪桐蔭よりも金足農が注目されていたのもその現れでしょうし。

その上で、僕のプレゼンでお伝えしたかったのは以下の内容です

1.人を集めるには人に会う数を増やすにつきる。採用率が10%と1%の会社があるならば、1%の会社はライバルの10倍あわないと人は雇えないですよ!
2.会社の規模の大きいことをヨシとする人材ではなく、自社に会う人材をとにかく探しましょう
3.そのためには自社の魅力を明確にし、ちゃんと伝えられるように言語化すること大事
4.そして、新人を育成して人材輩出企業になろう!みんなが欲しいと思うスターエンジニアはごくごく少数という現実を見ましょう。(偏差値80の人材の取り合いみたいになるのは健全ではない)

もちろん外から人を集めてくるという視点は無視していません。大人ですし。

でも、福岡の家賃が安い、ご飯が美味しいだけで人が来るのはレアで、あくまでも良い会社、良いビジネスがそこにあることが人が集まる理由になるハズです。そのことを改めてお話させていただいたつもりです。

シリコンバレーから見た東京だって住環境の良さは言われるわけですからね。比較論なら構図はあまり変わらない。

東京で採用活動をやっていると、確かに母数は多いのでしょうが、その分、採用側の競争も激しく、多数のライバルと戦わなくてはいいけない状況は変わらないわけです。

そのような状況で戦っている現実が、今のBASEのプロダクトチームを作るために1.5年で300人の面接、つまり300時間以上の面接をやる必要があった現実が僕の中には存在しています。

300時間と言えば、ここ1.5年で2ヶ月ぐらいまるまる面接してる計算になりますね。何度か面接を重ねた後にクロージング面談などもあり、実際はもっと時間をかけています。

ちなみに、これ以外にチームメンバーの1on1面談もあるし、チームのmtgもあるので、そりゃ技術やコードを目をくばる余裕などなく、社内でおじいさんみたいになってしまうわけだ。CTOたるもの現場に寄り添そう必要があるため、エンジニアで生きてくの大変。

また、この面接のアレンジは間違っても僕一人だけでできるものではありません。面接のアレンジをしてくれて、僕をよどみなく働かせてくれるHRチームとチーム戦でやってるからこそ成立しています。そう、人材採用はチーム戦です。

僕一人だったら、絶対にスケジュール設定に甘えが出ます。スケジュール設定の淀みは機会損失を生みます。僕が一人で面接をアレンジしてたら、これだけの面接をこなすのは絶対に嫌です(笑)

人事がチームとしての活動が成立している企業であればあるほど、採用率は企業毎にバラバラでも、結果としての採用人数は増えるはずです。

東京に会社があるだけで採用が有利なわけではない。もちろん面接の数を増やさないことにはどうにもならないので、今回のエンジニアフレンドリーシティの取り組みを通じて、出会いの場を増やしてほしいというのが重要なわけで、その取組はこれからやっていくものだと思うので、是非頑張って欲しいです。

でも間違ってもwantedlyに求人を出したり、どこかに求人票を登録しておけば勝手に応募が来るようなことはないということです。そこの認識は改めましょう。

機会を増やす取り組みとしては、数年前に明星和楽にお伺いした時に、こういうイベントは東京ではできないし成立しないと思ったので、そのようなエンジニアの祭典を作って欲しいです。

あと、技術コミュニティも皆さんのお話をお伺いして思ったんですが、東京は人が多すぎなので密度が高すぎます。きっと東京だけがいいというわけではないと思いました。

そもそも僕の感覚では、東京のコミュニティでは相当アンテナ張ってないとあっという間に応募がいっぱいになって参加できなかったり、もしくは人気のあるコミュニティは規模が大きすぎたりしてしまうので、参加する側もコミュニティというよりはお客さん感覚すぎて気が重いし、人数をハンドリングしなくてはいけない運営者の責務も重いなど、いろいろあると思いますので、「ちょうどいいサイズ」ってのはもっと見直されても良いかと。そういう部分は、東京ではない気がしています。東京もリーダーが増えれば細分化される可能性はあるんで場所のせいにしたら怒られますけどね。

直近では、当社からもPHPカンファレンス福岡にお邪魔したり、今度デブサミに出演するメンバーがいたり、お伺いする機会は増えています。僕らも、福岡に限らず、あらゆる場所でエンジニアを育成する取り組みにご協力できると幸いです。

今回のプレゼン資料の中に、日本のgithubアカウント保有数が少ないという話を入れました。大学院の研究で調べた僕調査のものですが、人口が半分しかいないイギリスやフランスにgithubアカウント数で大きく負けていた数字が出ています。イギリスと比べると海外から来ている企業が少ないこともあるでしょうが、日本はSIer、製造業主体の社会なので、まだまだWebやアプリ、AIに携わりgithubフローで仕事をするエンジニアは増やしていかないといけないと思います。僕らももっと会社を大きくして、活躍するエンジニアの育成に力を入れていくことでエンジニア市場を広げていきたいと思っています。

僕らもがんばります。福岡の皆さんも頑張ってください。福岡市がどんなに頑張ってくれても、最後、そのチャンスを活かすのは皆さんにかかっています。

【PR】ご意見、感想などは是非、mstdn.fmのローカルタイムラインでお聞かせください