日本の美意識がイノベーションを阻害する

日本は信用レベルが高い社会なんだと思う。何故なら大体みんな世界レベルでは裕福な人が多いから。
ただ、それに依存しすぎると期待と現実の間に齟齬が生まれていくどころか、それが当たり前だと思って変化することをこばんでいくと世界から置いていかれるかもしれない。

中小企業だと廃業の危機!? 大阪の模型製作会社が予約キャンセル大量発生を訴える

「予約だけして音信不通キャンセル」が発生して困っているという話なのだが、クレジットカードでオーソリだけ取っておけば、発送時に確定すればとりっぱぐれないので、そういう決済方式に移動したほうがいいんじゃないかと思うわけです。

BASEで決済を利用すればクレカは最大60日までオーソリを延長できますから、その間に発送できる商品であれば、ちゃんとお客さんとコミュニケーションさえとってあれば、事実上の予約だって可能だと思うわけです。

(ちなみに、もっと待たせたらドタキャンは発生します。クレカも論理的には60日以上オーソリを延長できるわけですが、それ以上伸ばすと、購入者の状況が変わってお金払えなくなったり、そもそも予約を忘れたりしてチャージバックリスクが高くなるという経験則から、ここまでの延長にしてるわけです。)

全然違う話で飲食店もキャンセルされて困るという話がありますが、何の信頼もない相手から電話やWebなどを通じて席を確保する約束をしてドタキャンされるというのも、そりゃまあって当然だと思うし、逆にちゃんと来てくれるいい人たちがいることもわかります。

しかし顧客をしっかり掴んでいる一見さんお断りで成り立つ高級店であれば予約についてはちゃんと信用継続を人質に取っているのに対して、世の中のお店はそこまでのエビデンスを取っていないまま受け入れているので、ビジネスの交渉としては成り立ってない状態とも言える。

一方で、そうじゃないとお客さんが来てくれないという辛い状況があるとすれば、これは中国のコンビニのようなイノベーションが求められる。少なくとも、食べログ、ぐるなびは一体何年この状況(ビジネスチャンス)を放置したのでしょうか?という話だと思うわけです。

【無人コンビニ時代の到来】中国無人コンビニでほぼ盗難ゼロのその秘密、「盗難したら損」の状況を見事に構築

本当に信用していい人たちを信用しているのだろうか。信用してはいけない人と、信用していい人たちがいて、信用していい人たちがとばっちりを食うなら、その判別ができるようにしてあげて、いい人を大事にするというのが今後求められる信用構築の世界だと思います。

と書いておいてなんですが、コンビニの件というかWeChatの信用スコアの件は多分破綻するんじゃないかなーと思ったりします。

「いい人を信頼するようにする」「信頼できない人は判別できない」というのが本来あるべき姿ですが、中国のそれは、「悪い人が損するようにできている」「信頼できない人は社会的に罰せられる」となってしまうのであれば、それは正しい信頼のあり方ではないと思うからです。オークションでBANされるとか、フリマで嫌われるのとは重要度が違うわけですから。

やりすぎると暴動が起きるやつ。

信頼の研究という本によると、後者の概念は「ヤクザ的コミットメント」という定義がなされており、やくざの子分は親分を裏切るとその世界で制裁を受けるという構造においてこの世界が成り立っているという話があります。

この言葉からわかる通り、統制概念としては正しいのでしょうが、社会のあり方としては不健全だと思うので、それを嫌う人達によって続かないんじゃないかなという予想をしています。少なくともそれが当たり前になるのは、少しおかしいかなと思います。

実際このようなツイートも拝見しています。

信頼/信用の概念については、スタンスの取り方で全然違う考え方になるということを皆さん知っておくと良いと思います。

だから飲食店の予約をビジネス的に良い形にするのであれば、来ない人を罰するのではなくて、何度も訪れているお客さんを優遇すると良いでしょう。一見さんの予約はリスクが許容できる範囲に留めておくのが望ましいです。あとは、それが実現可能なサービスレベルの追求ということになりますね。コントロールできないリスクを取らないとビジネスが維持できないというのであれば、早晩、継続は難しいのではないかと思うわけでして。

みなさん、がんばりましょう。

【PR】ご意見、感想などは是非、mstdn.fmのローカルタイムラインでお聞かせください