Amazon vs ヤマトのアナザーストーリー「ドッグファイト」書評

ヤマトがAmazonに対して送料の値上げを申し出るという話題が盛り上がったが,そのような背景をいち早く小説化していた「ドッグファイト」を献本いただいた.

ECサービスに関わる身としても,配送の今後は最重要課題.アマゾンに対する値上げの流れや,それに伴って発生して欲しいイノベーションに対する要望は,我々も同じ.

現実では,まだこれと言ったイノベーションを産むことなく世論に訴えかけたが,ヤマトを模したと思われるコンゴウ陸送は見事に新しいビジネスプランを持って,アマゾンを模したスイフト社に対する武器を持つことで送料の値上げと事実上の乗っ取りを画策するプランを撃破する.

BASEのようなサービスに携わっていると,ポスト大量生産大量消費の世界で,人々の働き方がどうなってしまうのかということをよく考える.

基本的にBASEは個人のエンハンスにフォーカスしているインターネットらしいサービス.

それが社会の変革を促し,地方の若者が東京の大企業に就職して,労働力を大手企業に持っていかれるのを止めなくてはいけないし,そこで日本経済の仕組みを知った若者がUターンした後で,日本全国,世界に向けてビジネスを広げる一助になればなと思っている.

本書で描かれている逆転の方法は,まさに僕が興味を持っている「ローカル配送」に対するイノベーションの話.

何も通販は,北海道から全国に蟹を送ったり,ワインをイタリアから転送するようなハレの日商品だけじゃなく,毎日必要なものを10km商圏以内にある「既存のお店」から運んであげれば良いのだ.それであれば当日配送は実現するし,細やかなニーズにも応えることができる.お互い顔が見えているなら,再配送に対する問題も相互の信用の元で解決しやすくなる.

何故再配送問題が大きなコストになってしまうのかと言えば,ドライバーと配達先の間に信頼関係がないこと,会社とドライバーの間に信頼関係が100%あるわけでもないこと,そして,一括配送の合理的なシステムや紛失,不達の問題,隣の家に置いておけばいいじゃん,なんて性善説で回すことができない事情などがある.

ローカル配送の効率性を誰かが繋いであげる必要性.発注などの情報のデリバリの手段にスマホやIoTを軸としたインターネットが活用できればそのパイプとしてBASEが担えるのではないか?という野望をイメージしたりしていたが,本書に書かれているビジネスプランは,まさにその部分への配送会社視点による解決法で,とても興奮して一気に読み切った.

こういう世界をヤマトさんが作るなら是非ともご協力したいと思う話だった.

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