具体的には、業務に必要な資格取得の勉強や語学力向上の学習など自己啓発をした時間について、「海外転勤するんだから英語を勉強しろ」などの上司からの指示がなくても、そうした状況に追い込まれる暗黙の指示があれば労働時間に当たるとした。
このほか、制服や作業着に着替える時間、業務終了後の清掃、待機時間、研修や教育訓練の受講なども、労働時間に含めるとしている。
へー。すごい話だねぇ。
例にある「海外転勤するんだから英語を勉強しろ」で考えてみると、
肝は、「実現に必要なスキル」と、「現状のスキル」にどれだけ差があって、そのことを当人はどう思っているか?
例えば、まだ全然海外赴任できるほど英語力ないフェーズにおいて、
1.自分にとって海外転勤は不幸なことであると思っている人
2.あわよくば会社の金で海外経験してみたいと思っている人
1.にとっては、この話はパッと見は福音。
何故かと言うと、期待されない人材に対する無茶振りはコストに見合わないから、そういう人にはチャンスが回ってこなくなる可能性が高い。
2.の人にとっては不幸。同じく、まだ不確定な段階で声がかけられなくなったとしたら学びのチャンスを失う。
結局、これらの人は上司からスルーされて、海外赴任が可能な人を雇うという方向に行くことが考えられる。
こういうルールを検討する時のペルソナは、「会社に虐げられて無茶振りさせられている不幸な社員」ということなのだろうが、会社をキャリアを成長させる絶好の機会と捉えると、適切なアドバイスがもらえなくなって、成長に繋がる機会を逸する可能性がなくもない。
極論で書いてるが、コストダウンを是とする日本企業においては、大小起きやすいことであり、結局、頼れるのは自分だけという方向に行きそうな気がする。
つまり、適切な育成プランをイメージされている社員に対しては、コストを掛けて成長する方向に持っていくことになるけど、そうでない人にかける教育が無駄なコストと判断されたら何も恩恵を受けられなくなって、二極化が進んでいきそうな予感がするがどうなんだろう。
社内勉強会や業務に関するセミナー参加が、一瞬でも上司から促されていたとしたら、残業申請や稟議対象になるわけだよね。
あと、全然違う話で、電通の場合は、別に残業代を抑制したかったというよりも、労使協定の範囲を超えることを避けたかっただと思うので、あんまりいい方向にいかないんじゃないかなぁ。
仮に、、、だけど、もしも、その仕事を実現する能力に満たないが故に残業時間が伸びていた場合、今後は抑制されるわけだが、同じ時間を費やして得られていた経験が得られず、おそらく、他の人に仕事が移譲されてしまうだろう。
また指針は、社員の自己申告と実際の労働時間がかけ離れている場合、「過少申告」が行われていないかどうか、企業側に実態調査をするよう求めた。具体的には、入退社記録やパソコンの使用時間なども調べるよう指示した。
これ、きっついね。
業務が終わった後の私用パソコン禁止になったりとか。サーバエンジニアでパソコン持ち歩くのを業務としてみなすか否や。
まあ、まだ罰則のない指針とのことではあるが、いつでもそれをどうにかするつもりがあるという表明だろうから、特定のフェーズの企業には無視できないものになる可能性が高い。
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