CTOの知り合いを増やしてきます、という稟議書を出し続けて、もう5回ですか。
まだ、このイベント起点で元CTOの人の採用はできていないですが、がんばりましょう。
これまでの開催は、京都 – 宮崎 – 京都 – 宮崎 – 京都 だったんですね。
最初は、知り合いも少なくて夜は普通に1人で彷徨っていましたが、顔見知りも増えて、こいつは誘えば来るだろうと期待してもらう機会も増え、飲みに行くチャンスなども増えて楽しくなってきましたw
IVS CTO night & dayの魅力は、当然参加者同士の会話ですね。
できれば具体的なissueがあると良い。何年も先に行ってる人の話を聞くのも参考になるのですが、実は、規模感的に1年ぐらい先に行ってる会社のCTOがぼそっと言ったキーワードが、1年以内に具体的な問題として思い出されたりして。あの時、そういえば、あんなこと言ってたな、って思い出せたらラッキー。
また、各CTOが、しれっと1年前に言っていたissueが変わっていたりします。当然、皆さん変化、進化していきますので、そういうのもただの飲み会ではなかなか話せなかったりして、そういうのを聞くきっかけになるのも良いですね。
なので、まぁどういうイベントだったか?というのは、AWSの方々が知恵を絞って用意していただいて、大変ありがたいわけですが、僕らは、そこに行く理由さえ維持されていればいいのかなと思ったりします。
1日目
■AWS Morning Session
情報セキュリティポリシーのお話と、AWS re:Invent 2016 Recapと称して、re:Inventで発表された新しいソリューションのお話をお伺いするなど。
■IVS Opening Key note
IVSと名の付くイベントですが、IVS CTO night & dayは、IVS本体とは別のイベントでして、社長さんとか投資家さん達のIVS本体とは違ってガチな勉強会になるのがIVS CTOの特徴なのですが、今回は、IVS側のOpening Key noteを同時参加するというプログラムでした。
中国のニュースアプリ、ニュースサイトを運営する toutiao の偉い人が来てのセッションでした。
モバツイやってたころは社長の立場でIVSに参加させていただいていたので久しぶりのノリだったんですが、ふと思い出したんですけど、会場真っ暗なの苦手で、人の話を聞いてるだけというのは、ついつい眠くなってしまい大変でした。
また、僕の数少ないIVS参加経験から比較すると、経営者主体のIVSはビジョンベースの話が多く、CTOは、もう少し具体的な組織オペレーションの話が多いのかもしれないですね。それこそ技術者の新卒教育をどうやってやるか?という話とかね。
それに、CTOは現場から離れていくと腕が衰えていくので、組織がどれだけ大きくなっても、技術的なissueをどのように持ち続けるのか?という部分が、重要になっていくのかなと思ったりしています。技術的課題を経営的視点で、と言う部分において、研究的視点においてもなんらかしらの形でコードには触れるわけで。
■アンカンファレンス
アンカンファレンスというのはいくつかのテーマに対して集まって議論する場のことです。
参加している企業も上場企業、安定成長している企業からまだ数人のスタートアップと差が大きいし、一言でCTOと言っても、会社の中で果たしている役割や立ち位置もバラバラ。故に、ホットなissueというのもそれぞれ違いますので、このように興味あるテーマにあわせて分かれて議論するのは非常に楽しい。
僕は、50人からのエンジニア組織という議題と、経営者としてCTOが果たす役割、だったかな?に参加しました。そういえばgithubにログをまとめなきゃいけないんだった。
コンテンツは参加者にあり!だと思います。
■スペシャルセッション 「DMM亀山会長からCTOへ」
亀山会長と次期DMM社長の片桐さんが参加しての何故、片桐さんが社長をお願いしたのか?という話からのリクルーティングみたいなセッションになっていましたw
亀山会長が今後のことを考える中で、エンジニアの心をつかむ部分を考えても片桐さんに協力してもらうことにしたというストーリーはよく理解できましたが、参加者の多くが、片桐さんのことを知らない人も多いような気がするので、その辺が見える感じになってたらもっと良かったかもですね。僕も、もう知り合って何年も立ちますが、どちらかと言えば六本木での片桐さんしか知らないので、実際にどういうマネジメントするのかや技術的ビジョンを持っているのか?は知らなかったりしますし。
ただ、さっきニュースで見た話題が目の前で繰り広げられるダイナミズムは感じました。そういえば昔、IVSに参加していた時にはコンプガチャ問題で公取委がD社に、、、、みたいなのがあったような。
2日目
■Launch Pad
ホテルでYoutubeで見てようかなーと思っていましたが、G’s AcademyでメンターをやらせてもらったCONCORE’Sの中島社長が出ると聞いてたので、がんばって行きました。でも例により暗い部屋は苦手なので、お隣の朝ごはん会場で悠々自適な感じで。
中島さんのPhotoructionは5位入賞してました。建築業界向けの写真管理サービスで、管理基準を満たすことを目的とした競合サービスと比べて、作業効率の改善を目的とした前向きなサービスということで、今後が期待されます。
そもそも去年はゼネコンのSEとして働いていた人が、1年後に仲間も増やして、LaunchPadで話をしているなんてホント凄いですね。なにげに同じ出身大学だったりして、そういうチャレンジをする人がいるんだ、というのもあり、是非成功して欲しいですね。
■CTO Tech Talks
参加社のCTOの人がしゃべる技術セッション。UEIの水野さん、数日前に海外で飛行機キャンセルされた的なのを見て、果たしてこれるのかなぁと思っていたら、体調不良で不参加とのこと。残念でした(刺さったのは、そこかw
■Keynote Session
オムロン CTOの宮田さんによるセッション
技術者としてのキャリアの入り口をオムロンのPLCを扱う制御の仕事で育った身としては、大変、感動的なセッションでした。
しかも抱えているissueの一つとして、N2リフロー装置内の温度変化(あれ?酸素濃度だったっけ)のお話をされていて、その辺、僕が当時やりたかった奴だなーと思って。僕も、当時いた会社の製品である、はんだ付け装置にパソコン載せて情報を記録するところまでは作ったんですが、まだ工場にLANがあるのは、トヨタ系のD社か、中国とか韓国などの海外の会社ぐらいだったんで、応用が見つからなく。今のインダストリー4.0の流れで、ようやく来た感じなんですかね。
⇒ 当時出してた特許
(ちなみに、これは仕事の範囲ではなく、完全に趣味的タスクとしてやってました。要は勝手に製品を作ってました。そのためHTMLがわからずに自腹でデジハリに通うことになって、それをきっかけとしてネットの世界に転職するわけでして…肝は、オムロンのPLC基板から、Windows appを通じて装置の動作ステータスを取得して、IISで共有するんですが、HDDにキャッシュしてたら産業用装置として10年持たないので、memcacheがない時代にメモリを介してデータを渡す、と言うのがちと面倒だったです。DOSの時代ならRAMディスクは普通ですが、NT4.0時代にはこれぞというものがなく、相応に苦労しました。最初VCでプロセス間通信とかやってみてもセマフォとか何言ってんのかよくわからないし、すぐデータ壊れるし、、、とかw)
お話の内容は多岐に渡っておりましたが、重要なポイントとして、大企業におけるCTOの役割としては、事業部(カンパニー)はどうしても数字責任を前提として短期的な視点になってしまうのを、長期的な視点でissueを見つけて、支えるチームとのこと。
カンパニーは、売り上げを支える事業組織なので、そこのトップと、どれだけ腹を割って話せるか?がポイント。相互のスキルや文化を理解しないでCTOは勤まらない。大企業のCTOであればるほど、少なくとも、それまで慣れ親しんできたメンバーが全員友達というわけではないでしょうから、そこへのコミュニケーション能力は必須とも言えるかもしれないですね。徹底的に議論するという部分は、小さい会社でも変わらない方法論ですね。
それこそ、オムロンさんの場合は、産業用部品のチームの方が売り上げが大きいわけですから、単純に出世的な役割というよりは、どちらかというとCTOは研究所的役割に近い位置づけのような気がしますから余計に。製造業において、研究部門がトップではないという感覚は、なかなかわかりにくい空気感かもしれませんが。
■Fireside Chat1
Cerevoの岩佐さんによるセッション
岩佐さんはパナソニック時代からブロガー繋がりの知り合いなわけですが、独立した会社も、もう9年続いていて、社員も100人と、素晴らしいです。創業間もない頃、秋葉原の古い建物のオフィスにお邪魔したのもいい思い出です。
その間に、日本のメーカーの中にも窮地に陥るところも増えてきて、時代の波は確実に来ていますし、引き続き今後が楽しみです。
■Fireside Chat2
オムロンCTO 宮田さんと、グリーの藤本さんの対談
対談というよりは、グリーの藤本さん司会による、宮田さんセッションになってるのが面白かった。
インターネットの存在感も大きくなってきて、そろそろネット系のCTOも老舗企業に行く流れが増えてきてもいいのかなと思っていたりします。例えば、日経新聞さんがエンジニア募集してたり、伊藤直也さんが.NETをメインに使っている一休にジョインしたり。個人的にも製造業出身なわけですから、インダストリー4.0やらIoTの流れに興味が無いわけはないですね。とはいえ、Cerevoが国内で設計してるのに、海外生産一本でやられている部分とか、彼らがすでにそこを強みにしている部分を差し引いても、まだまだスタートアップと老舗の距離は遠い実情もあるのでしょう。そういう意味では、今回の京都のIVS CTO night & dayが、オムロンさんのCTOに出ていただいたというのは、非常に興味深い流れだったと思っています。
ちなみに、最後の懇親会は抜けて先に帰ってきたのですが、見事に風邪がぶりかえしまして、次の日は一日会社休みをいただきました。僕もその場では、全然意識してなかったんですが、帰りの新幹線では結構体調悪くなってきたので、近くにいた人で調子悪くなっちゃった人がいたらごめんなさい。
(というdiscloseをぼそっと書いて終わる)