WebSigでイベント設計する時にいつも気をつけていること

Websigでは、昔、志向していたこととして、

「あらゆるイベントから呼ばれるような有名な人は呼ばない」

ってのがありました。今でも、登壇者に認知に委ねるイベントはやらない。また、どちらかというと、

「これから有名になりそうな人をいち早く取り上げる」

という感覚もありました。決してマイナー心でそういう選択をしていたのではなありません。

例えばイチローや落合監督を呼べたとしましょう。僕もダイアモンド主催の落合監督のセミナーに行きましたが、間違いなく話は面白い。面白いんですが、彼らはスペシャルすぎて全く参考になりません!!!

そういうイベントは集客も楽だと思うんですが、WebSigは営利でイベントをやっているわけではないし、人を集めるためにイベントをやっているわけでもなく、好きで勉強会をやっているわけなので、人の認知度に委ねたイベントは、企画している我々は全く楽しくないわけです。

WebSigはもう9年も淡々と勉強会などをやり続けてますが、WebSigでは「明日使えるテクニックは扱わない」というポリシーがあります。テクニック的なものを扱ったほうがキャッチーだし、目の前の仕事に直結する話なので、需要が高いのはわかってるのですが、僕らが面白く無いのでやりません。

そうではなくて、もっと骨太な未来の話や本質論を考えます。そういう時に話をしていただく登壇者には何がしかのコダワリや成功体験を持った人にお願いするわけですが、そこでイベントを考える時に、僕らが絶対に避けなくてはいけないことがあります。

それは、

「登壇者だけしかできないよ!」

って思われてしまうこと。

これは絶対に避けたい。スタートアップのような投資する側とされる側みたいな立場の違いもありませんし、別に登壇者の宣伝のためにイベントをやっているわけではないので、「○○さん、すげー!」だけで終わっては絶対にいけなくて、参加者が何かの気付きを、それぞれの立場で考えこむような時間にしなくてはいけない。

それこそ登壇者の話に刺激され、自分の仕事の世界に当てはめ、脳内では全然違うことを考える時間になったら最高です。そこでの空気感をワークショップで他の人と共有してもらって、懇親会でお酒と一緒に発散してもらう。それが大人の土曜日の上質な過ごし方ではないでしょうか?!

せっかく土曜日の休日に、わざわざ話を聞きに来るわけですから、他人の自慢を聞いて終わるという時間の費やし方にしてはいけないわけです。

今日、バスキュールさんにお邪魔し、「受託の未来コース」に登壇いただく西村さんと打ち合わせをしてきたのですが、それこそ「バスキュールじゃないと、それ真似できないよね」ってのは絶対に避けなくてはいけないという話になりました。

西村さんは、ex Adobe / Macromediaの人でプラットフォーム提供側の視点をお持ちなので、そういうバランス感覚は最強です。

バスキュールさんの事例はクリエイティビティに富んでいて、ある意味、派手なわけなので、そこに囚われて、彼らが目指してきた本質が伝わらないことは避けなくてはいけません。それこそコーポレートWeb系の受託の人が、バスキュールさんは広告系だから学ぶところはないよ、みたいになってしまうのは、今回のイベント設計においては、まったく望む展開ではありません。

詳細を書くのは避けますが、彼らがテレビで活躍する時にやってきた「先行投資」みたいな姿勢は、是非、話を聞いていただき、受託の人たちに参考にして欲しいのです。

関連する話かもしれませんが、僕は受託で嫌いな展開があって、「予算はいくらですか?!」という予算ファーストの話の流れが嫌いです。もちろん実際は予算はあるわけですし、そこに案件の量を合わせこまなきゃいけないわけですが、ハナから予算から入るのは間違っていると思います。

そういう流れにおいて、受託の人は受け身姿勢になっていませんか?!「お客さんの望むものを作る」という姿勢は聞こえはいいですが、お客さんは果たして本当に望むものをわかっているのでしょうか?!

むしろ素晴らしい提案をして、予算をあげさせるような何かが必要なのではないでしょうか?!

そもそも何かをする時に予算がないってのは、実は費用対効果が懐疑的でお金をかけられるほど判断できてないというケースは多々あります。だったら成果を夢見る提案をして、ここにだったらお金を投資しても良いと思わせることがすごく大切です。

もし、Webにお金をかけて儲かることがわかっているのであれば、みすみすチャンスを逃す経営者はいません。そうじゃないから予算という枠で担当者の活動に制限をかけるわけです。予算を超えた部分は再稟議を必要にして、適切な費用帯効果を説明させるわけです。

でも本当にチャンスなら予算の枠を調整できない一般企業なんてありません。そんな会社は、マネジメントもしていない、経営もしていない会社ということになってしまいます。

「あたりまえのWeb」と今回名づけた部分に秘めたる夢は「お金をかけた分だけ、Webで儲かる」世界が見えてくるかもしれない!?ということです。

「お金をかけただけ儲かる」というのは、今まで成功例はソーシャルゲームただ1つでした。勝ちパターンが決まった後は、TVCMをやればやるだけ儲かる、優秀なエンジニアを一人でも多く雇えばその分儲かる、という素敵なロジックができていたから、国内の広告出稿量のトップを取り、人件費も高騰していたわけです。

そういう流れが、Webを活用した他のビジネスにもやってくる兆しが見えてきた。それが「あたりまえのWeb」でイメージしている世界です。

裏付けとなる話は、

WebSig1日学校2013について 〜 和田校長から

に書いてあります。なんの変革もなくネットがバブルになるわけではありません。「変化したものだけが得られる果実」だと思っています。それが明日実現するかはわかりませんが、1年後は変わっているかもしれない。否、そうなっていて欲しいという話をします。

本当に「あたりまえのweb」があたりまえになってしまったら、僕らは、もうイベントでは取り上げないと思います。いざそうなった時に、自分たちがプレーヤーの一員にいることを夢見て、参加者の人たちと一緒に考えたいなって思ってます。

2013年度版の「WebSig1日学校」で考えていることは、こういうことです。

で、最後にTechWaveにこんな記事がありました。これWebSig1日学校のステマですか?!と思わんばかりにタイミングよく符号してきました!シンクロ感高いです!

「アプリは、日本タクシー業界をリデザインするか?」

WebSig1日学校「Re-design : あたりまえになったWebを考えなおす」では、日本交通の川鍋社長にもオリンピックに向けた国際化の取り組みについてもしゃべってもらうように追加でお願い済みです!日本交通一社でスマホのタクシーの配車アプリで15億円以上を産んでます。こういうのがどんどん増えてくるのが「あたりまえのWeb」の世界です。

WebSig1日学校のサイトはこちら

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