定額音楽配信が実現したオーディオのアップグレード – SONY MAP-S1+JBL 4312M2WX購入

もう10年以上、リビングでMP3やAACなどのいわゆる圧縮音楽を如何に楽しむか?というのを考えてきました。皆さん、特に20代の人はもう物心ついた時からMDやMP3などの圧縮音楽があったと思います。圧縮音楽というのは、小さなメディアに突っ込むために、画像で言うならJPEGのようにデータを圧縮した音楽データのことです。

JPEG画像であればRAWデータと比べて微妙に画質が下がりますが、別に困らないですよね?それと同じく、圧縮音楽も非圧縮の音楽とくらべて微妙に音質が下がるんですが、基本的に聞こえないであろう周波数帯域をばっさり切り落としていたりします。しかし、聞こえない領域なわけですから、それほどわかりません。その小さなファイルサイズがダウンロード速度も含めて使い勝手が非常に良いという理由でこれが主流になっています。

しかし、オーディオマニアの属性の人たちは長らくこの流れについていきませんでした。彼らは音質のためにメディアを選ぶことができる人たちなので、音質を高めるためには、圧縮音源など聞きません。そして部屋を改造する、アナログレコードを追及する、などの発想でモバイル時代との乖離がどんどん進んでいきます。当然、彼らを上客とするオーディオマニアやオーディオに興味があるユーザー向けの製品も、製品自体が時代と乖離していく流れがあったように思えます。特にネットワーク音源対応のミニコンポは、あんまり音質をがんばってないエントリー機しかないという状態が長らく続いていました。

圧縮音楽は、聞こえない領域をばっさり切って容量を減らしていると言いましたが、聞こえないとは言え、音のユーザエクスペリエンスは体で感じるものなので、実は耳には聞こえないけど、音の楽しさを感じるには、聞こえない領域も重要なのではないか?、というのが定説です。
いくらオーディオが頑張っても、ライブ会場の臨場感、ワクワク感には叶いません。それは音量だけの問題じゃないと思います。そういう意味では、音が聞こえる聞こえないだけで判断できるものじゃないというのは賛成です。それであれば、その部分を少しでも意識してくれるオーディオ製品をずっと待っていましたが、なかなか出ませんでした。特にピュアオーディオと呼ばれる、なるべくシンプルな回路でメディアが持つ情報の再現性を追及するアプローチでは、圧縮音楽をうまく再生することができないのは当然のことでした。

僕もすっかり諦めてしまい、何年も、もうそこそこ鳴ればいいやという感じで、そこそこのアンプと、ちょっと良いスピーカーの組み合わせで暮らしていました。

しかし、つい先日、ふとオーディオのことを思い出し、試しに検索してみたら、2年も前から圧縮音楽を快適に聞くための、しかも結構骨のある製品が出ていたので、久しぶりだったし即買いしてみました。それがSONYのMAP-S1です。

SONY MAP-S1

このオーディオシステムは、ソニーが得意としているハイレゾ音源と圧縮音楽の差異を分析し、圧縮音楽で失われた周波数帯域を予測的に補完してくれるアルゴリズムを通じて、音質を向上させてくれます。

iPhoneのAirPlayで繋がるすべての音について、このアルゴリズムを適用して自動的に音質を改善してくれます。

これ以上は説明はいらないと思います。情報流通のために圧縮して失われた情報を、アルゴリズムで補完してハイレゾ相当というビジョンで高音質にするというのは非常に今風のアプローチです。買ってよかったです。

JBL 4312M2WX

子供の頃から、ソニーの音質に対する味付けは、低音が強くて、フラットというよりはメリハリを重視する印象があったのですが、MAP-S1も小さなボディの割に骨太な音が鳴ってくれたので、欲が出てスピーカーも買い換えてしまいました。

優等生だったDALIから、癖があると言われる念願のJBLのスピーカーを購入しました。

今までJBLを買わなかったのは、圧縮音源の特性と持っていたアンプの力では良い音を鳴らせないだろうと思ったからでした。ソニーのアンプを買ってみたら、高音域はアルゴリズムが補完してくれてるし、そもそも、この音質ならいけるだろうと言う希望を持ったので買ってみた次第です。

早速、繋いでみるとJBLのスピーカーは巷で言われている通り、やっぱりJazz系に強いですね。
というかJazz系の音を鳴らすんだ!という意気込みが伝わってきます。それに対して、ポップスだと、全然力を発揮しません。

音楽理論がわからないので、適切な言葉で正しく説明できませんが、音源の録音状態によって強みが生きるか生きないかが完全に分かれてくるような印象です。

クセのあるワインや日本酒のように作り手の意思が伝わってくる製品は、今の自分にはすごく嬉しいです。

定額音楽配信が切り開く、新しい音楽の楽しみ方

音源は、AppleでもLINEでもAWAでもなく、USENアプリを活用しています。AWAなどが出てきて、こっちもリニューアルしていて切磋琢磨してるのが好印象です。

やっぱりUSENは老舗でもあり、用意されてる音楽のジャンルもほぼいわゆる有線と同じで、選択肢が沢山あってオッサンには一番いいんじゃないかと思ったりしてます。リアルUSENしかない橋本徹セレクションのチャンネルが聞けると最高なんですけどね。それ以外だと、たまにSpotifyですかね。

僕自身は、Jazzの音源を買ったりする趣味は全くないのですが、音楽の定額配信があるおかげで夜な夜な仕事で疲れた後の時間に、深夜カフェに行くような感じで音楽を聞けるようになったわけです。クラブミュージックも良い迫力でごきげんです。

JBLのスピーカーにチャレンジしてみようと思えたのは、定額音楽配信が安価に利用できるようになったおかげです。

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