よく使われるネットサービスには、誰にでもわかりやすいKPIが存在している。

大した話ではないです。歩いてて思ったことを頭に定着させるメモなので、原則スルー推奨です。

ネットサービスが表現すべき数値的価値

沢山の人が利用しているネットサービスには、大体、必ず代表的なKPIが存在します。

Twitterならフォロワ数、Facebookならいいね数、ブログならPVなどがそれです。

広告文脈でPVという指標を違うものに変えましょうという活動がありますが、そのKPIがサービスの魅力を抽象化した概念そのものであるならば、単純に成功要素を変えるのは難しいでしょう。

例えばブログに滞在時間を導入したら、文章が長くなるだけで、モバイルにとってはハッピーではありませんし、そもそも全部のブログに到底当てはまるモデルとは思えません。

それに対して、ツイキャスやニコ生のような動画コミュニケーションに、単純な延べ閲覧数は本質的ではありません。動画の場合は、やっぱりどれだけ長く閲覧されて、どれだけコメントをもらったり、アイテムをもらったり、お気に入りに登録されて継続閲覧してくれるかなどが配信者が継続的に配信するモチベーションに繋がっていくものと考えられます。Youtubeのチャンネル登録などもそこですね。

改めて当たり前のことを思ったのですが、KPIについては、「そのサービスが本質的に提供している価値に連動しているもの」と密接につながっていることが必要なのではないかと思います。

敵か味方か!KPIハックという撲滅するか懐柔すべき存在

KPIの成立要件そのものが、そのサービスの魅力で、沢山の人に使われたとします。

つまり、

サービスの魅力 ⇒ 数値評価 ⇒ ユーザーが楽しくなる

に繋がっていくわけですが、サービスが大きくなると、今度は逆に、

数値評価をハック ⇒ サービスの魅力をハック ⇒ なんらかしらの経済価値に変換

する人が出てきます。特に○○マーケティングなどと言った用語で表現されやすいビジネスの文脈が入り込むと、たびたび起きる話です。

「ツイートを読みたいと思われる人が、フォロワが増える」

のを逆手に取って、

「フォロワを増やして、評判を作る」

であったり、

「評判が高いから検索ランクの上位に表示されてPVが増える」

のを逆手に取って、

「検索ランクの上位にどうにか出て、PVを増やす」

などの行為です。

これらの生態系を作っているプラットフォーマーは、サービスが大きくなった後に、如何にエコシステムが健全に育つか?ということに力を割くことになります。そして、それが成功したサービスだけが生き残り、その序列が、ユーザーの人間としての根源的欲求と密接に繋がり、定着することで、さらなる飛躍に繋がることになります。

これらは日常の運用の中で必ず行われているハズです。

プラットフォームサービスは、そのエコシステムを作り、維持し続けるのが仕事です。スパムメールのように、悪意を持ったハックに乗っ取られたら○○の死として呼ばれて、徐々に一線から衰退していきます。汎用的、民主的すぎるプラットフォームは、ここに対するコントロール力が働かない場合は、ハックには弱いのかもしれません。

エコシステムを健全なビジネスモデルとして実現することで、継続するためのお金というエネルギーを得て、より正しい方向に回転していきます。

それ故に、プラットフォームサービスにおいては、マーケティングの名の下でそのサービスの成功法則をハックしてくる人たちを如何に撲滅するか?もしくは、自社ビジネスの成長要素として懐柔するか?のどちらかの作戦が求められます。

広告文脈でPV以外の指標を取り入れたい人たちのissueもここですよね。

僕はこう思った

繰り返しになりますが、ネットサービスの代表的なKPIは、ユーザーの根源的な欲求や心地よさとつながっていることが求められます。

僕はこれまで古くからのネットユーザーとして、KPIのようなものに踊らされるのは嫌いで、そのサービスが持っているUX、空気感や自由度などにネットワークの楽しさを感じるタイプだったのですが、KPIについても、もっと真剣に向き合っていくべきかなとは思いました。僕がSNS離れとか、○○離れに強いのは、数値面を気にしないからだと思います。

しかし、多くの人はそうではありません。それ故に、パソコン通信時代から慣れきっている【ヘビーユーザー】としての文脈ではなく、もう少しビジネスとしての文脈を考えればこそ、ちゃんと向き合わないといけないかなと。

なのでネットサービスを設計する時には、

・そのサービスで実現したいことは、ユーザーにとって快適か

に加えて、

・ユーザーが快適なエコシステムに繋がるわかりやすいKPIを、そのサービスは提供できているか?

をちゃんと考えておくことが重要そうですね。少なくともサービスのわかりやすさの表現に寄与すると思いますので、企画意図が明確になるので利用しない手はありません。

こういう話、昔からゲーミフィケーションだとかグロースハックとかの教科書本には書いてある概念かもしれませんが、今の僕に刺さる表現としては、「悪いこと言わないから、グロースするための数値要素は予めちゃんと設計して企画書の1ページに書き記しておけ」、と言っておくのが一番良い気がしました。

以上、あたりまえのことしか書いてない記事で恐縮ですが、良いサービスには、良いKPIがわかりやすく存在してるんだから、新しいネットサービスも、ちゃんとそこ設計しようね、という話でした。

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