過熱する退職エントリーの内容について

この話、背景まで考えてみると、結構悲しいなぁと思ったわけです。

Web系エンジニア1年半ですが、このたびは転職する運びとなりまして、各位に連絡させていただきます – mizchi’s blog

該当の会社はスタートアップとして2年で、まだ結構赤字の会社。
大量調達した手前、少なくとも人件費を上げるとしたら相応の理由がいるはず。まず気になっちゃうのは、「がんばったから」というより、他の人たちとの兼ね合い。他の人ってのは新卒じゃなくて、同じ会社の他のエンジニアと比較して抜けていたのか、そうでないのか。

増田の記事でこんなのもあった。

エンジニアの給料って転職しないと上がらないものなの?

かれこれ5年目で上がり続けてるんだけど、俺はとんでもなく幸運なわけ?

同じくITエンジニアだけど、会社の技術力は大したこと無い。
最近誰も自分に対して文句を言えなくなってしまってるので、成長とか考えると転職を考えたい年頃。

彼の給料が上がる理由
1.どうやら大前提として、会社が儲かってる(利益がちゃんと出てる)
2.オンリーワンの存在で、社内で相対的に突出して見える

この増田の人が転職する時に気をつけなくてはいけないのは、条件が変わるので給料が上がるとは限らない(大多数の転職は給料が下がる)、競馬で1500万条件からオープン馬で重賞を目指しに行って、勝てなくなってしまうという可能性も加味して、それでも頑張れるというのであれば転職するという感じでしょうか。

給料ってのは、どうしても相場で見てしまいがちなんだけど、やっぱりその会社の利益が出てないと上げるのは難しいわけだし、原資が前期の利益の配分で、会社の中の相対評価にならざるを得ない。もちろん博打的に給与を出して成功した会社もあるので、選択肢はもちろんそれだけじゃないとは思いますが、それを一般論で求めるのはちょっと難しい話。

そりゃね、赤字であるから辞めるとかは正しい判断なんだろうけど、今まで業績が良かった会社が、そりゃダメだろというマネジメントの先にやっぱり赤字になったから辞めるとか、上司に再三言ってきたけど、古い会社で変えられないから辞めるとかならわかるんですが、スタートアップで、ほぼ最初の時期から一緒にやってきた仲間という立場での退職エントリーにしては、正直、悲しすぎるなーというのが感想。

まだ評価されて「給料をあげてもらう」状態じゃなくて、みんなで頑張って利益を出し「給料を勝ち取る」フェーズだと思うんですよね。そういう感じが全く見られなかったのが残念。

当然、それは同時にマネジメントか何かがちょっと違ってたのかもしれないとも思ったりはするわけで、お互いの距離感とかミスマッチ感がすごいありそうな印象だったりするのが悲しいなぁと思った理由。

えと、一般論に変えます。

ちょっと続いている赤裸々な退職告白なんですが、結構リスク高いと思うのは、あんまり言い過ぎると、実は会社側がどう思ってたのか?!ってのを引っ張りだす結果になったら面倒な気はします。多分、そんなことをしないとは思うけど、今後の採用に影響があるから、みたいな判断があった時にね。

というのも彼氏彼女に例えると、カップルが別れる時って、一方的に問題があるケースって少なくて、反論しようと思えばできるような理由は、なんだかんだあったりもするわけです。それが個人のブランディングに傷がつくようなことも全くないとは限らない。

そういうことを引っ張りだしかねない退職エントリーは、僕は結構リスクだと思ったりします。別に会社が言わなくても、残った社員の人とか、あとオフラインね。この業界狭いですし。まして今後、日本でもリファレンスを取るようなことになったら、やっぱり。

更に言えば、こういうエントリーを書かせてしまうことも、あんまりよろしくないわけで、不要な突っ込みどころを提供せず、「次がんばってね!」ってみんなに応援される退職エントリーを書くというのは、割と大切な「立つ鳥跡を濁さず」ということなんじゃないかなーと思ったりしました。

よくブロガーさんで書きたいことを書いておいて、いざ反論されると過剰に反論してみたりする人もいますが、投げたナイフと同じだけのナイフが自分に返ってくることは覚悟して書かないとね。僕も、このエントリーを書きながら、今、いろんなリスクを想像して書いていたりします。

老婆心という言葉はあんまり好きじゃないけど、参考になれば幸いです。

追記:
参考にならん!というコメントがはてブにあったので、僕の退職エントリーを2つほど晒しておきます。別に胸張って言えるようなものではありませんし、僕もナイフ体質の方なので、どう受け取られるかはわからないけど、「何故、退職エントリーなんて書いてるの?」と言ってる人も多いので、別に退職エントリーなんて昔から書いてるんじゃ!ということもセットで。
2005年12月31日
受託と自社プロダクトを中心としてた会社からペパボに転職する時。
転職します。
2010年1月4日
ペパボを退職して、独立した時
昨年末でペパボを退職し、独立しました。

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