ゆうべは橋下氏のインタビューをニコ生で見ていた。忘れないうちに幾つか強く思った部分だけ感想を書いておく。
■ 維新の党と大阪維新の会とのちぐはぐさ
橋下氏は、大阪都構想を100年事業とおっしゃっていた。100年も橋下氏がリーダーシップを取るわけにはいかないのだから、実現するために必要なのは大阪府や大阪市の職員だけじゃなくて、ビジョンを維持し続ける政党の存在ではないだろうか。もしかしたら正しい意味での派閥がそういう受け皿なのかもしれない。
盤石な政党組織があってこそと考える。これまで維新の党もついたり離れたりしながら、走りながら味方を増やし、武器を拾ってきたとは思うのですが、それでも昨夜の江田代表の辞任の会見と、それに対する橋下氏、松井氏のコメントはどう考えても足並みが揃っていなかった。
現状、住民投票が通ったとしても、ただその1点で実現性は難しかったのではないかと思う。
橋下氏が、自分はワンポイントリリーフですよ、と言えば言うほど、余計にそう思う。
■ 今日の高齢者、明日の高齢者
今回の投票は一応高齢者層の反対が目立っていることになっている。それをそのまま真に受けたと仮定すると、5年という歳月ではドラスティックに未来の変化を望むことは簡単に通らなかったというのが結論であろう。
今回は40代は賛成票を投じた人が多かった。しかし、30年後、この第二次ベビーブーム世代である40代が70歳になった時に、もし自分だったら同じように反対票を投じるか否かという選択において、反対票を投じないという保証はない。
今なら賛成した人も、自分が70代になった時に、賛成しているかどうかは人間誰だってわからないと思う。それは自分の目の前にあるイシューによって全く状況は変わってくるだろう。
今の70代世代が一巡したとしても、この先、最低でも30年は、年齢が上の人口が多い時代なのは変えられないのだから、この事実を避けて通れない。その時には今の20代だって、50歳を超えている。
今回、ちょいちょい見かけた投票権は納税者を優遇した方がいいんじゃないか?とか高齢者は投票権を剥奪しろなどという言説を、その段階でも言い続けることができたら、それは、なかなか立派な人だと思う。
もし、変化をしたいのであれば、高齢者の問題などと点で考えるのではなく、世代の移り変わりを、どうバトンタッチしていくかという線として捉え、連続的であることを踏まえた上での議論が必要であろう。少なくとも10歳ずつ世代を切り取った非連続量として捉えると、間違いなく若い世代の方が辛い気持ちになるわけで、そういう論点にしてはいけないと思う。
それこそ、どこかで革命でも戦争でも起こして、人口比率を変えないといけなくなる。それは全くハッピーな話にはならないのだから、価値観の変化は一朝一夕でできることではなく、今から徐々にでもやっていかないと行けないだろうし、それを我慢強くやっていける人たちこそが真の政治家ではないかと思う。
ソーシャルでは、いろいろ面白いブログ記事を共有しているのを読んでいたが、いくつか参考資料にしたものを貼っておく。
シルバーデモクラシーに敗れた大阪都構想に、それでも私は希望の灯を見たい | 東京都議会議員 おときた駿 公式サイト
「投票に行かない若者が悪いだけ」という言説の恐ろしさ | 東京都議会議員 おときた駿 公式サイト
【謎】大阪都構想の住民投票の世代別の賛成・反対投票率がどうも妙な件。 | life-hacking.net
大阪の住民投票結果から見えるもの(渡辺輝人) – 個人 – Yahoo!ニュース
アジアの中心から見た日本の危うさ | freshtrax | btrax スタッフブログ
大阪のことは所詮ヒトゴトなのですが
この人は鋭いねえ pic.twitter.com/BkVFxDhOkQ
— 大波コナミ(輩) (@moja_cos) 2015, 5月 16
この世の抵抗勢力としてあるのは世代の問題だけじゃない。人種の問題、経済の問題、今目の前にある、情弱的な意味合いを含んだ無関心の問題。日本の高齢者社会を嘆いているだけなら、きっと世界中にある血が流れるような面倒くさい問題を解決できるとは思えない。同質性のある同じ人種の世代問題ぐらいで悲観的にならずに解決しろ、というのが感想ではある。
がんばってね!
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