バナーという交通広告

この話、「だからネイティブ広告」という結論じゃなきゃ面白かったのに。

島田範正のIT徒然 » 「バナー広告には誰も関心を払わない」という科学的証明

米国のオンライン広告のソフトウェア会社シェアスル−(Sharethrough)が、視聴率調査会社ニールセン(Nielsen)の脳神経科学を応用したというEEG dataとeye tracking(視線追跡)技術を使って、バナー広告の効果が薄いことを科学的に突き止めたそうです。

バナー広告やリスティングというのは、交通広告と同じものだと思っている。

交通広告というのは、歩いてると電信柱に貼ってある広告などがそれで、よく葬式の広告とか借金の広告とか、宗教とか、普段は必要としてないのでスルーしてしまうのだけど、いざ葬式業社が必要になると目に入ってくるという代物。頻繁ではないもの、いざというと気には万人が必要とするような商材の広告が街中には貼ってある。

バナー広告も、交通広告のように99%以上の人にはスルーされるべきもので、一部の気になっていた人にだけ刺されば御の字。広告効果は、そりゃいくばくかはクリエイティブの良し悪しはあるものの、基本的には商品性の良し悪しや時代性、タイミングに依存する。

それに対して明確に売りたい、売れる、という前提で広告宣伝費をガッツリ入れるような商品に関しては、ネイティブ広告やらTV CMやらでガッツリ露出を高めたほうが良いですよ、というのはその通りではないのだろうか。いつぞや流行ったコンビニのロールケーキのような、全国津々浦々で買える新商品は、モバツイをやっていた時にも、とても広告効果が高かったが、本当だったらネイティブアドでもっと盛大に露出した方がよろしい、ということだな。

広告効果がたかくても、サプライチェーンとでも言うべきなのかな、広告の受け皿となる商品を売る場所や在庫がなければ、せっかくの広告も意味が無いわけだから、スーパーやコンビニで買える、もしくはTVサービスに流れてるネットサービスの広告あたりが、単価の高いネット広告にはふさわしい可能性が高いということになる。

それに対して、バナー広告やリスティングは基本的に受身形の商材であるべきなのだろうから、それぞれ広告特性を考えて使いわけよという話を超えないと思う。

でも、元々バナーしか売るものがないという状況だったのは今となっては大変だったかもね。ようやくTVのようにメインコンテンツ枠の中に広告を出せる時代になったので、さぁお客さん!移行していきましょうね!ということですよね。

あと、いい加減、誤クリックで広告費を稼ぐスキームは死滅して欲しいですね。CPCが低いからまぁいいやってのは交通広告の看板みたいなものだから、広告主的にはコスト感あってれば別にいいのかもしれないけど、メディア側が広告に対する意識が低いまま成功法則のように語られるのはライフハック感強すぎるよ。結局、収益単価が高くなるコンプレックス商材やエロに限られてきちゃったりすると、ロジック的には最悪感ある。そういうものとの差別化という意味で、プレミアムアドとしてのネイティブアドに関心を寄せるのは、個人的には嫌いじゃない。

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