仕事で信頼を得るために必要なこと – スクーさんのCTOの履歴書に出演しました

昨日、スクーに出演しました。

CTOの履歴書 BASE 藤川真一(えふしん)氏に聞く理想のエンジニア像

理想のエンジニア像になるには?という質問があって、そもそもエンジニアという職種は、官僚や医者弁護士などのように厳密な役割として定義されているわけではなくて、

・お願いする人が技術の問題解決をお願いしたい
・仕事をする人が技術を使って仕事をしたい

という需給関係で成り立つものです。それが認められるもしくは認められたいと思う人は「エンジニア」と名刺に書いたりしますよね。

ところが、その人ができるのであれば、デザインでもいいしディレクションでもいいし、アドバイザリでもいいわけです。

つまり、エンジニアがエンジニアたる仕事を得られる理由とは、

・あなたをエンジニアとして期待している人がいること、もしくは信頼があること

が前提になります。

だから「理想のエンジニア像」というのは、どういう技術を持っているか?ということ以前に、

・お願いする人が、お願いしたい仕事を、適切にこなしてくれる期待ができること

に他なりません。

そして、その人が実現した成果が大切です。例えばWeb系のエンジニアであれば、

実現レベル(機能)、それによって動かす経済規模(スケーラビリティ)、それによって守られるシステムの安全性(セキュリティ)が高ければ高いほど技術者として「望ましい人物」として信頼されるわけですね。

そもそも「信頼」とはなんでしょうか?

「信頼」とは、「この人はこうしてくれるかな?という期待を、期待通りに実現できた時に作られる」ものです。

そして、

「期待」とは、「雇用」であり仕事の「アサイン」なり「発注」という形で提供されます。

ロジックとしては、

1.依頼者が「期待」を込めて仕事をお願いする
2.それを適切にこなす
3.依頼者が結果を「評価」する
4.期待通りの望ましい成果が出れば、そのタスクの実現性について「信頼」される。

この繰り返しです。

「全幅の信頼」というのは本質的な見立てではありません。特にITの世界は、どんどん誰かの人の手で技術が進化していくので、その変化についていけるかどうかは誰もわからないからです。ただ、「あなただったら、これできるよね」というのは、それまでの信頼の積み重ねから「期待」された先にあるものです。「期待」とは「投資」だとも言い換えられます。1〜4のループは常に存在します。

また、これは職種は問わなくて、全ての職業にあてはまります。例え社長だったとしても、資金を出してくれているVCや銀行、周りの取引先、顧客、ユーザーさんから「期待」をされ全責任を持っているわけで、それを適切にリターンできることで「社長としての信頼」が生まれるわけですね。

それがもっと日常的な仕事、例えば1つのメルマガだったり、バナー1つとっても、素晴らしい文章で人を感動させられたり、高いCTRが出たりすると、「ライティングのプロ」「バナー職人」という称号を得て信頼を得たりすることできます。

つまり、どんな仕事でもあてはまる基本法則であり、その繰り返しこそが「仕事をする」という本質なのだと思っています。

目の前の仕事を適切にこなすことで、小さな小さな「信頼」が生まれます。この信頼の連鎖を地道に積み上げていける人が「すぐれた社会人」であり、そこで解決することが技術の問題であれば「すぐれた技術者」と周りから呼んでもらえることになります。

逆に、期待できないということになると、その人には仕事が発注できないことになります。例え会社の中でも、大きな仕事がアサインされる人と、そうでない人に分かれてしまいます。常に期待をされる努力をすることは、楽しい仕事を得られる原資になります。

何もしてない人が勝手に期待されることはないので、日常の仕事の中であったり、もし仕事の範囲外の新しいことに期待を得たいなら、相応の努力が必要だということになるでしょう。

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なお、「期待通りにこなすと信頼が生まれる」と書きましたが、さらにもう一歩上の信頼を得る方法を書きます。

これは、「期待されたことよりも、ちょっとだけ多くの成果を返す」

ことです。これはGMOグループの熊谷代表がおっしゃっていたことの受け売りです。GMOグループの場合はコールセンターなどのさもすると定型の仕事になりがちな人も対象にしているので、あらゆる職種に当てはまる法則だと言えるでしょう。

熊谷代表は、それを「笑顔と感動」と表現されています。日々の小さな仕事を通じて、相手に「笑顔を感動」を提供しましょう。

そして、期待されたものよりも多くの成果を返す努力をし、実現すれば信頼が生まれ、さらなる期待が得られるだろうし、それを続けた場合は、複利であなたの実力向上として返ってきます。

僕も昔、受託をやっていた時には、必ず案件1つに対してなんでも良いから1つのチャレンジをしていました。

仮に、自分にとって本意ではない仕事だったとしても、その中で、何か1つのチャレンジを心がけることで、モチベーションというのは自分で作ることができますし、何より他人のお金でチャレンジする機会を得て、スキルを向上させることができます。

これが、ちょいちょい言われる「モチベーションは人から与えられるものではない」と言う本質ではないかと僕は思ったりします。つまりプロになれ、ということなんですかね。僕もそこまではよくわからないですw

僕が受託の仕事をやってた当時は、それが仕様書をしっかり作ることだったり、設計フォーマットを整備することだったり、全体のプロセスをどう改善するか?と考えることだったりして、そこから、その時に足りなかった「情報設計」の方に関心が向き、それが10年の時を経て、先日のUI Crunchの登壇に繋がったんだなって思ってます。そもそも僕はデザイナーではなくてエンジニアとしてblogを書いてたことがきかっけで人脈が広がり、鋭いツッコミをしてくれる人たちと知り合い、知見が広がり、今、こうなってるわけでしね。すべての出来事は、日々の仕事の延長線上に繋がっているんだと思っています。

深津さんも似たようなことを書いていて、すごく共感しました。

社員がフリーランスになる前に教えておきたいこと

9: モチベーションの維持の仕方を学びなさい
思い通りにならない案件との折り合いの付け方を学びなさい。商品を作品と考えている限り、提案が却下されるだけで心にダメージを受けます。風向きの悪くなった案件だからといって、こなし作業にしては損しかありません。むしろ「ライブラリの最適化」、「字詰め」、「ショートカット憶える」など自分テーマを決めて、「クライアントからお金をもらいつつスキル練習できてラッキー!」と有効活用することが重要です。

周りから思い通りに評価されなくて悶々としている人とかいると思うんですが、まず「期待」とは「その機会に投資されているんだ」ということを認識した上で、リターンとしての「give and give」を返すことを大切にして欲しいです。それで生まれた信頼をベースにtakeが来るんだと僕は思っています。仕事なんて「give and take」で済ませたいと思うかもしれませんが、変にバランスしてしまうと現状のまま平行線をたどるか、先細ってしまうことも考えられます。周りは成長するでしょうしね。新たな評価を加えるためには「期待」が必要なのです。

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あと最後に、最初の段階で「期待」➡「実行」➡「評価」➡「信頼」という下積みのようにも見えるサイクルをすっ飛ばす1つの方法を書きたいと思います。

それはネットに作品を公開したり、世の中に成果物やポートフォリオを提示して、一気に世間から「評価」➡「信頼」を得て、大きな「期待」に繋げてしまうということです。

プロダクトマネージャなどの仕事だと、こういうショートカットは難しいですが、クリエイター職に関しては、このショートカットが可能です。その舞台はgithubだったりdribbbleだったりYoutubeだったりApp StoreだったりLineスタンプだったり、もちろんBASEだったりとどんどん広がっていると言えるでしょう。そして、そこでの成果はどんどん自慢しましょ。

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