情報を貯めておく「ストック」のサービス
そもそもストックのニーズというのは、なかなか地味だ。昔から「マメで賢い人」は、PCやネットがなくても、スクラップブックを作っていたり、ファイリングしていたり、ノートにしっかりとっていたり。
そういう人にとって、Evernoteなどは神だっただろうし、はてなブックマークにせよ、その他アプリにせよ、大切に使える人だと思う。
一方で、そういうことをあんまり考えない僕のようなタイプは、目の前に保存できるところがあれば、あたり構わず保存してしまい、後から思いついた時には、どこに保存したかわからなくなって、結局探せないという状態になっていたりする。
いくらその場ではストックしていたとしても、そのリポジトリが分散してしまっているのでは、意味が無いよね、という話。
結局、なくしちゃいけない!と思って、保存する場所を意識するほど、自分にとってその情報が大切だと思えることこそがすごく大切だと思って、それって人の意識に依存するよなぁと。ITは人を変えるのではなくて、人の意識をサポートする道具に過ぎないよなぁと。(だからヘルスケアサービスとかに興味を持てないタイプ)
最近、ずっと探してる記事があって、10年ぐらい前に、マーケティングの人が、どれだけ苦労して社内を説得してるのか?とか認められるために頑張ってるのか?ということが書かれた魂の叫びの記事。確か、はてなダイヤリーに登録されていた記事で、その記事は当時から印象的だったのだけど、10年経った今だからこそ余計に見たいと思って、うちの若手に見せてあげたいと思うのだけど、探せない。はてなブックマークに登録したか、どこか別のところに保存したか。時既に遅し。
今だったら増田にしか書かれなくて余計埋もれていくような記事で、特徴的な検索キーワードもないからgoogle検索で探すこともできない。
どこに保存したか忘れてる以上、たとえ保存されていたとしても、そのストック情報は事実上、失われているのと同じだよなと思うわけです。
そもそも人間はストックすることに向いてないと思う。流行るサービスはストック性が要因なのではなく、フローの楽しさ。それはホームページ時代から何も変わってない話。多くの人の可処分時間はそっちに使われる。だから、ストックサービスの方向性はフローを取り入れつつ、いかにストックにつなげていくか?というのが多い。それこそ偉大なるホットエントリーとか。
Web2.0時代のビジネスモデルがストックに依存したGoogle検索からの収益だったわけなので、Webベースのサービスはそういうものが多い。フローでうまくいかなかった?サービスはストックに回帰しているケースも無視できないし、ここは成功したモデルとして根強いんですよね。
それはいいのだが、ついつい僕もフローの楽しさにつられて、どんどん新しいサービスに移行して、「ここにストックされていればいつか見るかも」という視点で、新しいリポジトリを増やしてしまう。
いっそストックは、pocketやEvernote、はてブなどに外注して、フローの楽しさだけをサービスに特化しておけば良いのはないかな。
サービス提供側の視点で言うと、ストックは囲い込みの手段になると考えがちだから自分ところのアカウントに下に置きたいというのが普通のサービス企画の発想だけど、そもそもストックを見返すかどうかわからないというのがあるのなら、ちゃんと見返す可能性のあるリポジトリに保存してもらった方がいいのかもしれないですね。
かと言ってアカウント連携機能が煩雑で初心者向けではないのよね。そこら辺が課題。アプリだったらWebのURLを用意しておいて、意識の高いユーザーにはご自分で好きにしてくださいというのが落としどころか。
僕の場合は、フローに近いストックはwri.peにおいて、研究メモとか旅行の情報とか割と本気でストックすべきものはEvernoteに置いてる。小保方問題で研究ノートの大切さを知ったので。
で、グルメ情報や行きたい店情報は、自分が作ってるShopCard.meに保存。データソースは、食べログ、ぐるなび、Yelpなど関係なく保存できるので日本でも海外でも構わず一箇所のデータベースに保存できるし、自分なりのグループに分類できる。アプリを開くだけで「近くのお気に入り」が表示されるようにしてる。
こういうのは飲み会とか会社の雑談で情報を引っ張りだすまでの時間の短さこそが命だから。話の流れで、伝えたい店の存在は覚えてるけど、店の名前が思い出せない人には役に立つと思います。僕がそういう人だから。
で、ここから先が怪しくて、ネットリソースは、Pocket、はてなブックマーク、twitterのfav、facebookのいいね(つまり行動履歴)、ここは探せない…。つまり気軽なストックになればなるほど、目の前のサービスに依存してしまい、結局後から探せないという問題につながってますね。
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