タイトル思いつかないけど、ひとまず最初につけたのは「ミクロの欲しい人材と、マクロとしての職業定義」

注意:駄文すぎるので読まないことを推奨。3500文字ぐらいですが、あくまでも僕のメモとして、見返せるようにするためにこのサーバに置いておきます。

前のエントリーはなかなか勉強になった。

UIデザイナー募集で困ってること

ただ、ネットでの反応を納得できているわけではなくて、ただただうまく伝わってないなぁという文章力の未熟さを感じた。僕が目の前で見ている状況を、適切な形で共有できていないのであれば、受け取る人との感覚差が出るのは当たり前で、そこで各自の感覚や経験談が入って話がややこしくなるのが、こういう系で炎上するパターンなんだろうなぁと身を持って感じた。(別に炎上してるとは思ってないけど)

「Webサービスを作る」にあたって、だれがどういう役割で作業をするか?という部分は、標準化されているわけでもなく、組織やチームメンバーの構成によって千差万別だろう。

もう約10年前の話になるが、以前いた会社での受託業務のディレクターは、サイト設計から顧客のやりとり、その他、コンテンツ設定、納品作業等の一切の作業をやっていた。簡単に言うと、「ビジュアルデザイン、コーディング、システム開発以外の全て」が彼らの仕事だった。

当時、サーバサイド開発やFlash(ActionScript)、JavaScript(Ajax登場以前)等の開発業務を行うメンバーだった僕は、上流工程であるサイト設計が滞り、自分たちの開発工数が圧縮される様を見て、何かおかしいのでは?と考え始めた。

その中で、必ずしもWebの設計業務に長けているわけではない人が、ディレクターだからと言う理由で暗黙的にサイト設計をやり、後工程のデザインプロセスで、問題点が発覚し、結果、手戻りが発生したがゆえにデスマになるような現象を発見したのをきっかけとして、前回の記事にも載せたURLだが以下の記事を書いた。

Webの設計は誰がやるの?
Webの設計は誰がやるの?その2

これらを書いた結果、他の制作会社の人と知りあうきっかけができて、「情報設計オフ」という名の、今もってスター選手であるIAな人たちを中心に、僕の相談会を開催するという幸せなイベントをすることができた。そこでは例えば、大規模サイトには、IAという設計を専門とする人がいること、100ページ以内のサイトならIAは不要でディレクターがIAの職能を持ちサイト設計をすべきだという話をいただいたこと、そして他社も、その内容は別として、似たような悩みを抱えているのだということがわかった。ちなみにUIデザイナーについて、記事を書いていたトレタのCOOのkengochi氏と出会ったのもこのオフ会。当時は、JUGEMの統括をやってたのかな。

テキストライティングも情報設計のうち。
情報デザインエントリ一覧

その後、Webを作るにあたっては常に新規の顧客と関わる仕事を続けるよりも、ひとつのWebサイトをじっくり改善するイテレーションを回す「継続的改善」に関わりたいと思って、Webサービスを生業とするペパボに転職した。

転職します。

ペパボでは、数人のチームでWebサービスを新規に開発、運営していました。僕が関わったサービスは、カラメルというカラーミーショップを使っているお店をアグリゲーションするショッピングモール。

初期開発では3人のチームで開発した。

サイト設計は僕、開発者は僕含めて2名、もう1人の人がサーバサイドをほぼ全部やってもらって、僕は主にショップの地図検索とか商品の色検索などのAjax系のJavaScriptやFlash開発と、apiとしてのサーバサイドを担当。そしてデザインからHTMLのコーディングまで見てくれたのが女性のデザイナーのYさんで、全員、その時に入社したメンバー。

サーバそのものはペパボはインフラ管理のチームがあるので、その人達にお願いするという構成。もちろん会社としては、広報がいたり、カラーミーショップのマーケやサポートがいたり、という形なので、全体として関わっている人たちはもっと沢山いたけど、開発業務そのものは3人。

Webサービスはこれぐらいの人数で作れるわけです。このメンバ構成において、「UIデザイナーは誰か?」というと、多分、僕がやってた領域と、デザイナーのYさんだった気がします。僕がやったのはサイトの企画面とワイヤフレームまでですね。

この経験が、今の人材採用に反映されているのは間違いないでしょう。Ajaxとかはややこしいことをやってたので僕が書いてたけど、基本的にはデザイナーのYさんの役割がいてくれればOKというのが発想です。

で、BASEですが、BASEはもうサービスの基本設計ができている状態です。すでに継続的改善のサイクルに入っています。そういう中で、UIデザイナーだけの仕事として設計業務だけをやるというのは、現状、少し難しい状況があります。前の記事で、「いわゆるWebデザイナーではなく」「JavaScript専業の人でも難しい」というのは、そこで期待される業務範囲が、現状が「深く狭く」ではなく「薄く広く」が期待されているから、というこちら事情の部分は否めません。まだ専業のUIデザイナーをその枠だけで採用するには、その前工程や後工程の人材層が薄いという現状があります。

ただし「薄く広く」と言っても、踊ってくださいとか空を飛んでくださいと言ってるわけではなくて、既存のコード資産にあわせた形で「かっこよくて、ユーザフレンドリなWebを作る」というのが唯一の要求です。「かっこいい」が曖昧だと言う指摘は受けていますが(:-> 
でも、そこは入っていただく方には考えて欲しいのが希望です。当社の場合は、目の前にサービスはあるわけですから、どれぐらいの質が求められてるかは見ていただければわかるのではないでしょうか。だから「当社に入られてどういうサービスを作りたいですか?」という質問は、すごく大切なポイントです。

そもそも機能をアレコレ足すようなことはしてなくて「何を実装しないか」という視点でサービスを考える組織ですから、実装量自体は、ひたすら新規のページをつくるような受託業務の人と比べるとコード量という意味では作業量がすごく少ないというのもあります。明日までにページをN百ページ量産してください、みたいなタスクを回せる組織ではありません。

このギャップこそが、分業に慣れた人材が求人市場に多く排出されてる現状に対する、悩みの本質なのかもしれません。

そこに必要なスキルを分解すると、やっぱりサービス設計、実現力、そして実装力はどう考えても必要ですね。そういう状況なので、やっぱり設計する人は、実装できないとダメです。これだけは譲れないです。

ただし設計論に対するスキルはそんなに求めてないです。例えばユーザ中心設計の方々がやられているような綿密な設計は現状は難しいです。将来やるのは全然ウエルカムですが、今は無理です。MVP的なシンプルで最適な機能をリリースしてユーザーさんの反応を見るというのが現状のやりかたになります。ミニマムな機能でニーズを満たせることが、ユーザーさんにとっても良いことだし、恩恵を受けられるユーザーが最大化できると思っているので、そこを追求します。でも、そうであっても設計は設計。ユーザさんに、いいサービスを作りたいという意思と実現力は大切です。

極論すると、書くコード量は少なければ少ないほどいいはずです。コード量がサービス性に直結するなら絶対に後発は不利です。特にECカートにおいては、10年選手の企業がゴロゴロいるわけなので、コード量で勝負したら勝てるわけがありません。よく営業会社は、その商品のCVRが一定であれば、営業マンの数で売上が決まるみたいな話がありますが、そういう勝負に持ち込んではいけないのです。

そういうのって他のスタートアップも似たり寄ったりではないかとは思ったりするのですが、その分、専業UIデザイナーという分業を求めると受け皿が少ないというのは、直感的には理解できます。なので現状は、受託でいろんなクライアントに技術を売る方が合理的だとは思うので、THE GUILD社やグッドパッチ社がそこを担っていくという流れなのだと認識しています。

そういう状況下ですので、自社の社員については、新しいことをやろうと思えば、当然、研究の工数を取って学んでもらう機会は設けますし、足りないスキルは仕事の中で身につけて欲しいし、それこそgitや黒い画面が苦手な人は、入社の時にはできなくてもいいから前向きにチャレンジする姿勢だけが欲しいと思っています。

ということを言いたかっただけなのですよね、はてブの方々が思ってるよりは、こう言ったら社員の人に怒られてしまうかもしれないけど、本当にスキル自体は、はるかに、ふつうのスキルしか求めていないつもりです。むしろ、リテラシーの高いみなさんが当たり前にできてることが実はすごく希少なんだということをすっとばして難しく考えすぎてない?という印象のほうが強いです。もっと自信をもって!

人材に求めている部分は「自分にとって未知の問題に出会った時に勇気を持ってポジティブに立ち向かう勇気」、それは欲しい。そして目の前の課題を「論理的に読みほどく力」も欲しいと思っています。それさえあれば成長していけるハズだし、それを考えるために必要な時間は取っているつもりです。

そういう前提を述べた上で、前の記事で一つ反省点があるとすれば、マクロな表現で、「UIデザイナーは・・・」としてしまったところなのかもしれません。そうなると「UIデザイナーの定義」にマッチしているか否かという視点になって、それこそ各工程で専業の人に失礼ではないか?みたいな視点すら出てしまったのは反省点です。

そうではなくて、「当社に必要な人材は」で始まっていれば、これは当社の問題ですから、それで人材が見つからないなら、見つかるまで探すしかないかもしれないし、「そうなりたい人」に期待して、自らが成長する場を提供するしか手がありません。結局、書いてたのはそういうつもりだったんですよね。

というか、僕は職場は「人が成長するための場」であって欲しいし、そういう受け皿になれる会社が好きなので、そもそも最初から完成された人材は求めてないです。後から考えると、ここを書いておくべきだったかもしれないですね。こちらの事情すぎて省略したのが間違いでした。求めたことをすべて備えてる人が見つからないことは当然わかってるし、仮にそういう人材が見つかっても当社にマッチするかというのは不明なわけです。当社にマッチする人材が、適切な力を身につけていくことを期待するのが正しいと思ってます。

そもそも世の中、実績ある優秀な人材を雇っても、そこのビジネスとマッチせずに、すぐに辞めていくような姿は沢山見ているわけですから、マッチングが一番大事なのって当然のことではないでしょうか?そういう意味では、スキルは二番目ではないでしょうか。人間はロボットじゃありませんから、スキルだけで能力が決まるわけじゃない。その人の力を発揮していただく感情がポジティブじゃないと。しかし、スキルを二の次に採用するのであれば、ポテンシャルが期待できる人じゃないと賭けにくいので、そこの意思があるかないかは面接で見ます。

よく言われる「スタートアップは最高の人材をとれ」という格言があるので、もしかしたらスタートアップとしては間違ったことを言ってるのかもしれません…が、BASEという職場が好きな理由として、社長も含めてゼロベースで積み上げてきたという部分に他なりません。僕がジョインしたのも、以前いたペパボができている「成長したい人材が、自らを成長させられる場」がBASEにも期待できるからだと思っています。

これがF-1レースの世界のような勝ち上がってきたエリートしかいない場であれば、多分、僕自身が採用されていないでしょう。もっと学歴が高かったり、もっと専門性が高い人材だけで構成されているマッチョな組織になっていることでしょう。エンジニアの半分以上が東大出身とか、そういうスタートアップも事実あるわけです。

とまぁ、ダラダラ書きましたが、別にうちの事情を言葉を重ねても別にだからなんだ?と思われるかもしれません。

ただ前の記事は、そういう状況が目の間にあって書いてた記事なんですが、力足りず文章では伝わらなかったな、というのが反省点でした。というか、ちゃんと書くとこうなっちゃうんで書かなかったわけですけどね、そういう意味では、この話そのものを書かないほうがよかった感は否めません。

ただ「UIデザイナーは市場でどう求められているか?」という最初の視点に戻すと、僕の考え方がマクロとしての職業定義に必ずしもマッチしてなかったとしても、ミクロとしての「各社が求める人材」の集合体が、マクロの定義に影響がでてもよいハズです。

つまり、「うちが欲しいUIデザイナーの定義」がどう間違ってようと、それはひとつの定義なのではないでしょうか。無視するかはご自由にどうぞ。そこは主張してるつもりはないです。自分のドメインに記事置いてるだけですから。

ただ、それで人材マッチングしないなら、それは反省点なはずだから、yuuさんの記事を始め、すごく勉強になりました。というかそこの一点について書いてよかったです。自社の採用の悩みに外部の意見をもらえる機会なんて普通無いですからね。ただ、その他の人の反応において、UIデザイナーの定義が甘かったですよね、ということに対する同意を僕に突きつけられても、知らんがな、というのが感想だったりはします。

ちなみに、これを書く意味ってちゃんとあって、ディレクターにせよ、当社で求めている範囲のUIデザイナーにせよ、エンジニア視点からすると「中間的役割」だと思ってるんですよね。ビジュアルデザインや開発は、習慣としても責任範囲が割と明確にfixしちゃっている中で、その間の中間の役割としては、コンテンツが絡んだりビジネスが絡んだり、ユーザビリティが絡んだりするので、少し面倒くさい立場、、、ではなくて、すごく重要な立場なのだと思っています。

Webという商品は「画面制御」ですからあたりまえのことなんですが、その分、役割において伸縮可能な部分が求められるというのは、僕は仕方ないと思ってる方なんですよね。もちろん、その業務範囲をfixしてあげるのが組織設計だろと言われればその通りですし、実際はある程度決まっているわけなので、そこは面接で説明しますという話なわけですが、ただいずれにせよ自分の業務範囲を周りの空気を読まずに規定して、「過小責任」になってしまう人は、結構アウトだと思ってます(ていうかスタートアップに向いてない)。

やっぱりそこの柔軟性こそが商品性を組み上げる肝だとも思ってますので。だから、今はUIデザインについての商品性は社長が担っています。そこを肩代わりしてくれる人材であれば、相応の立場になってるハズだと思いますよ。ただ双方に信頼がないと任せられないので、いきなり「スキルを兼ね備えていれば…」というものではないと思っています。

気のせいかもしれないですが、少しネットの反応を見てて思うのが、この「信頼」の部分が、スキルで代替できるんじゃないか?と思ってるフシがあるんですが気のせいでしょうか。信頼はスキルだけでは決して得られないと思います。スキルは信頼を得るための原資みたいなもので、結果としての信頼の醸成には「遅れ」が発生します。例え相手が美人で自分の好みだったとしても、相性が合うかどうかに気がつくのは時間が必要だと思います。つまり、その部分に組織の成長やお互いの評価という動的な状態遷移が存在するハズです。もし、その信頼を代替できるほどすごい人材なら、それこそ2500万円もらえてもいいんじゃないでしょうか。つまり、その人に丸投げしたら明日からいきなりサービスを伸ばしてくれる超ウイザード級のハッカーって話だと思うんです。間違いなくはてブなどで言われている「そんなスキルがあるなら独立してるわ」という人ですよね。Googleのプロダクトマネージャーとかが、そのレベルのお給料もらってるそうですが、そういう人なんでしょうかね?

p.s.ちなみに240万円という謎の数字がはてぶコメントで指摘されていて、その数字、僕も意識してなかったんだけど、あれはフルタイムでも正社員の数字でもないです。多様な募集形態もあったのでテンポラリの業務委託とか、そういうことらしいです。誤解を生みやすいことはよくわかったので他の求人サービスでは消してもらいました(FindJobは今は掲載してない)。数字はひとり歩きするから怖いです。報酬は希望をお聞きした上で提示させていただいております。というか皆さんがおっしゃられてる通りアルバイト募集じゃないんだから、同意を得られない金額で求人媒体から人を雇えるわけないじゃないですか。反応がネガティブすぎてまいった。よく利用規約とかでもめる時の相互の視点の違いみたいなのを感じました。でも、それは応募者の方にも同じ印象を抱かせてしまう可能性があるわけで、注意が足りなかったです。今後気をつけます。

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