これから技術を学ぼうという学生に本を紹介しろと言われたので考えている。こういう回答にはセンスが求められて難しい。
技術の本はネットで探せば見つかるので、そこには触れず、仕事とは何かインターネットは何かということをざっくり掴むことが大切だと思う。なお、オッサン趣味なのはご容赦ください。というか最近、ネットの概念的な話の本が少ないような気がする。専門特化していったのもネットの現状なのですよね。
本棚にあったり、過去に読んだ記憶があるものしか思い出せないので、偏ってることについてはご容赦ください。
1.「ハンバーガーを待つ3分間」の値段―企画を見つける着眼術
以前、一緒に仕事してたシーマンを作った斎藤さんの本。ほぼ日の連載を中心にまとめた本なのだそうです。この本、インターネット的な話も、情報設計的な話も、ユーザビリティ的な話も、ゲーム的な話もコンパクトにまとまってて面白い。ただ理解するには少しハイコンテキストかもしれない。面白いというところだけで読み流すとただのネタ本だし、今の時代だからこそ(つまり、この本が出てから現在の間に起きた答えを知ってるからこそ)ハッとさせられることがあります。
引っかかりがあるかないかは、その人の経験や目的意識に依存しちゃうかもしれないですね。でも、数年後に、思い出せればいいんじゃないかとも思うので推薦。
なお、アマゾンで1円で買える。Kindle版出せばいいのに。
在庫に限りがあるので、なくなっちゃったら小さいバージョンのも
ハンバーガーを待つ3分間の値段―ゲームクリエーターの発想術 (幻冬舎セレクト)
それでもなくなっちゃったら、ヴィレバン回れば売ってるところもあるかな?!
2.インターネット的
こちらは糸井重里さんの著書。こっちの方がわかりやすいかな。そんなに感動したとか楽しかったというわけではないんだけね。しかしながら今、ネットで起きてることは漏れ無く投影されてる気がします。
3.小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則
割と定番。これは技術ベースのスタートアップの基本ですかね。
少しビジネスビジネスしすぎて、学生の人には、まだ少し早いかな、とは思いつつ。
4.新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く
ネットワークとはなんぞや、ということを知ることができる本
昔買って引っ越しの時に捨てちゃったんだけど、また買い直したので、オススメ。
ページが多くて、小難しい本なので、図書館で借りること推奨。
5.Joel on Software
Excelを作ったjoelさんの偉大な本。
もう家には残ってないのだけど、記憶には残ってるので。
少し難しいかな。開発者あるあるみたいな本だった記憶が。
これの続編も気になる。
More Joel on Software
6.ゆとりの法則 - 誰も書かなかったプロジェクト管理の誤解
名著だが、これも働き始めてプロジェクトを経験してから読む本かな。
全く実感のない時に読んでも面白くないかも。
7.Inspired日本語版
これは60%をネットで無料で読める翻訳本。残りはアプリで買ってください。
プロダクトマネジメントとは?という本なので、僕の今の趣味です。
しかし、この本が翻訳されて書籍化されてないのが不思議です。
8.思考の整理学
インターネットって新しいようで、別に新しくないんですよね。
30年前の知的労働者がやっていた情報発信という特権を、誰でも享受できるようになったのがインターネット。
その時代のプレーヤーが考えていたことは、僕らにも理解できるようになった。
9.100万人から教わったウェブサービスの極意―「モバツイ」開発1268日の知恵と視点
ここまで挙げた本は、多分、変人が書いてる本。この本は平凡な人が書いた本。
それが故に参考になるんじゃないか的な。手前味噌で恐縮です。
10.Webの未来 (Web Site Expert Special Edition)
Amazonのリコメンドで出てきたので買ってみた。WebSite Expertの特集のコピペ本みたいです。
ここに出てるメンバーなら買っても損しないと思う。PDFキャプチャなので、iPhoneではちと小さいです。PCかiPadで読んでください。
そういえば来月、WebSigの10周年記念イベントをやりますよ。緩い感じのイベントなのだけど、はじめてモデレータによる対談をやります。僕もこの本を編集した馮さんとWebの産業化についての話をします。過去に参加してくれてた人と久しぶり会えたらいいなー。
WebSig24/7 10周年記念イベント「Webの10年とこれから」
他にもライブドアの頃の堀江さんの本とか、梅田望夫さんのWeb2.0時代の本とか、わくわくする本も良いと思いますが、手元にないので割愛いたします。
しかし、先頭の本は1円だし、出版されてない本は紹介してるし、なんだか難しいですね。本屋さんのドル箱がOfficeの入門本や年賀状であることを考えると、いい本とビジネスは連動してるとは限らないということなのかと。正確には誰にとっていい本なのか?というのがケースバイケースになっている現象こそが、社会人にになるにあたっての学びなのかもしれないですね。
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