Twitterの見え方の画一化問題

Facebookが落ちていて朝の暇つぶしパワーが余ってるので、今更、どうでもいいことを書きます。これ、ホントにただの時間つぶし(?)なので、オッサンすぎてくだらないと思ったら即戻るボタン推奨です。なお、対象ターゲットユーザーは、2006年〜2009年ぐらいまでにTwitterを始めた人です。

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Twitterクライアントが今よりも多様だった時代、Twitterクライアントは作者それぞれのTwitter感を反映したものになっていた。

わかりやすい例で言うと、

・TweetDeckやHootSuiteはマルチカラムで沢山の人のツイートが一覧できる
・オリジナルはTwiccaだったな。会話をトレースできること
・Tweetbotは写真だけを一覧できる

だとか、Twitterに流れる140文字なんだけど大量に流れるツイートを情報を、どう見やすく整理するか!?というのがツイッタークライアントの役割だった。少なくとも「真面目なツイッタークライアント」はそう考えていたハズだ。

僕もモバツイを手放した後に、Tweetbotや公式アプリ、公式Webにもアクセスすることが増えたのだが、そのカッコいいUIはすごいなーと思うことと裏腹に、最終的な安住の知としてモバツイに戻ってきてしまう。

それは使い慣れているからということではなく、いくつかの面でやっぱりモバツイが使いやすいなぁと思うからだ。

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僕がモバツイで重視しているのは、

・RTやfavの数がすぐに見えること。
・リプライが来たら即見えること。(そして「赤い表示」でリプライをモチベートしてくれること)
・自分のツイートが1画面遷移で、すぐに見えること。
・タイムラインがすぐに流されちゃったりしないこと
・画面をタップすれば、すぐに相手の人のタイムラインが見えること
・URLを書き換えれば、目的の人のツイートがすぐに見つかること。

などの「普通の機能」の構造設計の話だ。これらのデザインは、TWitterクライアント毎にデザインが違うのだが、情報過多でわかりにく本家Twitterでもなければ、クールなデザインなんだがイマイチ燃えないTweetbotではなく、あくまで個人的趣味でモバツイになっちゃってるんだよなぁ。

…そりゃ僕が設計したんだかた当たり前なのだろうが。

モバツイのスマホ版は、Webブラウザで動くようにできていて、はっきり言ってイマドキのトレンドではない。もしかしたら、時間をかけてでも、がっつりスマホアプリに行くべきだったのだろうが、それは今更置いておいて。

モバツイは、Androidアプリと、スマホWebブラウザと、ガラケーのブラウザで見るものがリリースされている。スマホWeb版は、普通にPCのブラウザからでもアクセスできる。今はjig.jpさんが管理しているので、jigtwiもファミリーだ。iアプリ版のjigtwiをベースにしたモバツイscopeというプロダクトもある。

その中でも僕は、あくまでも個人的趣味でツイッターは、やっぱりWebブラウザで見るのが一番良いと思っていて、それがコントロール性の高さなのだと思う。初心者向けを標榜しておいて、URLを直打ちで変えたい時があるだとか、それもどうかと思うが、CUI的にダイレクトアクセスしたいと思えることも、140文字 x 大量のユーザーで構成されるツイッターの面白さだと思っている。

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Twitterにアクセスするクライアントが公式に一本化されていくということは、ユーザーは作り手の望んだ見え方に従うようになる。それこそA/Bテストは、作り手が望んだ結果にたどりつかせるための有効な手段と言える。そのため何かの数値的な結果は最適化されていく。

でも、Twitterの良さは多様性にあったハズで、さまざまな見え方をしていたからこそ、沢山のユーザーがそれぞれの考え方でTwitter上のコミュニケーションを愛してたのではないだろうか。A/Bどころか、AもBもCもDもあったからこそ生まれていた混沌とした世界があったのではないだろうか。

そういう多様性をTwitter社は捨てる選択をした。それは彼らの上場にとってはよかっただろうし、そうせざるを得なかった事情も理解できるが、彼らが望む「リアルタイムニュースネットワーク」としての最適化をした分、コミュニケーション性であったりとか、Sticky性などが徐々に失われて、それが結果としてアクティブ率の低下に繋がっているのではないだろうか。

モバツイが使いにくくなったと思うのは、Twitter apiの利用可能数が厳しくなったため、長い時間使えなくなったということにつきる。この文章も、今日はFacebookの調子が悪く、モバツイをやっていたら、api利用可能数の制限を食らったから書いてるのであって、そうじゃなかったら、もっと違うツイートに時間を使っているだろう。

Twitter社のスタンスは、サードパーティTwitterクライアントの利用者のアクティブ率下げる施策を取り続けている。圧倒的に公式アプリが使われている状況にも関わらず、わざわざサードパーティのTwitterクライアントを使いたくなるほどTwitterを活用したいヘビーユーザーには不便を与えているこの状況は非常に残念だなと思う。

当然、彼らの野望は、自社のクライアント(twitter.comや公式アプリ)にユーザーを誘導し、望んだ形の情報を見させて、望んだ広告をクリックさせることにある。やっぱりクライアントが分散していることは、彼らの施策のスループットが下がる。

しかし例え単一のクライアントを使わせていても、CTRも新機能利用率も所詮は確率論なのであって、「Twitterクライアントが違う」というのはTwitter全体からすると確率論の一部でしかないとは思うのだが…。もちろん、上手くいかない施策があった時に、そもそもユーザーがアクセスすることができません、というのではハナシが通じないのはわかる。

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僕がモバツイの初代開発者であることを差っ引いても、改善を続けているtwitter.comは日本人には根本的に使いにくいと思っている。この情報のファインダビリティでは使う気にならない。先方はいろいろ考えてリコメンドエンジンを回してるのだろうが、こちらからは、ただ沢山の情報が出ているだけで望む情報ではないものが並列に並んでいるようにしか見えないので、はっきり言ってノイジーだと思っている。

アマゾンでモノを買いに行く時ほど、こちら側に目的意識がないため、情報全体が薄まって見える。おそらく脳内では情報の取捨選択に困り、迷いが生じているのだろう。楽しくない。

それに対して、純粋に「Twitterのコミュニケーションを楽しむ」モードではモバツイを使う。スマホやタブレットでもわざわざブラウザに切り替えている。それが快適だからだ。それは僕がモバツイを作っている時に意識していた「日本人は、TwitterにもStickyなコミュニケーションを望んでいる」という哲学にそって作られたクライアントサービスだからである、と自負している。

といろいろ書いたが、それでもTwitterには沢山の人がアクセスしてると思う。僕もまだ活用してる。昔からダメそうかなと思ってもダメにならないのがTwitterというアーキテクチャの奇跡だ。自著にも書いていたが、なぜかわからないけど楽しい。この遺産はまだまだ続くだろう。

上場した今だからこそ、Twitterクライアントも含めたエコシステムの再構築をやりなおしてもらえないものかなぁ。(僕はもうやらないけど)。是非、今の20代前半の若い人の価値観のツイッタークライアントとか見てみたいものだ。今から始めるにはビジネス要件が揃ってないので、スタートアップでやろうとするのはオススメしないが。

僕がTwitterに興奮したのは、Twitterの「メッセージングプラットフォーム」という可能性だった。文字で@○○と書くだけで情報が適切にルーティングされるという部分がエレガントすぎると思ったからだ。ところがそれだけではビジネスにならずに、フロントを押さえることを求められた。Twitterはメッセージインフラにはならずに、普通のWebサービスになってしまった。かたやメッセージングプラットフォームの座はFacebookやLINEが押さえにいきそうな流れになっている。やっぱりフロントを押さえろってことなのかもなぁ。世の中難しい。

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