SixApart社MovableTypeの逆輸出型アメリカ進出について

SixApart関さんの結婚披露パーティに行ってきました!そこでSA話もちらっと聞いてきたので、少しその話をこちらでも。

近々、SixApartの代表である関さんがアメリカはニューヨークに赴任し、あちらでビジネスを始めるそうです。SixApart社自体は、元々アメリカの会社でしたが、いろいろあってブログシステムであるMovableTypeのブランドを一旦、日本のSixApart株式会社が買い取り、MTを逆輸出するスタイルで、日本からアメリカに進出する流れ。

シリコンバレーではなく何故東海岸なのかというと、既存顧客が圧倒的に大手企業だからだそうで。

関さんはカーネギーメロン大学でMBAを取られてる方、何故今まで、こうなってなかったんだろうというぐらい自然な流れのように思えます。

最近、若いIT系の人がなんとMovableTypeを知らないケースがあるらしいので少し書いておくと、簡単に言うと、MTがなければWordPressもなかったであろう偉大なブログシステムです。ライブドアブログもアメブロも、MTがなければなかったと思います。昔からあるコンテンツマネジメントシステムというのは、大企業のWebサイト管理プロダクトで、数百万円から数千万円以上する大規模な情報管理システムでしたが、そのスケーラブルな発想をそのままにブログを書くためにギューッと小さく凝縮して圧倒的に使いやすくしたのがMovableType、通称MT。

売りは、柔軟なテンプレートエンジンを使って自由に情報発信できるかたわら、WordPressとは違った仕組みで大規模なアクセスにも通用するシステム設計。故にビジネスモデルがエンタープライズ向けにフォーカスしていた分、PHPによるエコシステムを味方につけたオープンソースのWordPressにコンシューマユースにおける認知を取られてしまい、その流れか若いITの人がMTを知らない人が出ている流れ。これは是非改善したいですね。

話は変わりますが、最近、海外に進出する日本企業が開発部分は日本にオフショアし、マーケだけアメリカに行くという流れが流行りつつあるようです。背景としては、サンフランシスコの人件費や家賃高騰が東京とくらべても半端ないことや、決して日本人のエンジニアのレベルが低いわけではないというのと、高い給料で雇っても日本企業とうまくやれずにすぐに転職してしまう現地エンジニアの問題があるのではないかと。

SixApart社もMovableTypeを日本主導で開発していたのは界隈では有名な話ですが、CTOの平田さんもこちらにいるようですし、そのまま国内で開発を進めていくのでしょうから、このモデルに照らし合わせても注目の開発モデルになると思いますし、更に、MovableTypeクラウドという新しいビジネス形態も始めているようで、今後の変化に注目しています。

ちなみに僕はMTのバージョン2.6の管理画面設計にいたく感動し、画面設計というものを意識しだし、その後IAという考え方に至るという、僕のキャリアにとっても最重要な素敵プロダクトであったりするのです。

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図:MT2.6の管理画面。創業時はPerlHackerの開発者の旦那さんとデザイナーの奥さんが夫婦で創業するという素敵なスモールビジネスから始まっています。

あと関さんは、昔、僕が、増えゆくモバツイユーザーの顔が見えなくなって、サービスを提供してる手応えがなくなってきて、このままのスタイルで続けるか悩んでた時に、寄付を募ってみた際に援助いただいた大御所3人のうちの1人でありまして、ホントありがたい限りです。

p.s.モバツイの元の名前である「Movatwitter」って「MovableType」を参考にしてたのです。Mobileだったらbだからね。「持ち運べるツイッター」=「Movable Twitter」の略で「モバツイッター」だったのでした。

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