10/5に八王子の旧三本松小学校の跡地であるデジハリの八王子制作スタジオを1日借りきって、WebSig24/7の一日学校というイベントを開催します。この場所で一日学校のイベントをやるのが今回が4回目になります。
僕がWebSig24/7のモデレータとして企画に参加するのは今年が初めてです。前回は講師として参加しました。その前は、お客として参加しました。モバツイで余裕がなくてWebSigのモデレータをお休みしていたからです。
所沢出身の身で、多摩地区の大学に通う友達が沢山いた経験からすると、八王子と言うともっと遠い場所の印象があって、この場所は八王子市ではあるのでしょうが、多摩センターからすぐ近くなのです。多摩センターも都心から近くはないですが、ただの偏見ですが八王子という言葉の印象よりは、ベッドタウンとしての都会的イメージがあります。旧三本松小学校は、京王多摩センターの駅からモノレールで一駅の場所で、帝京大学や中央大学の多摩校舎の近くにあります。中央大学の多摩キャンパスが八王子市にあることを知らない人も多いと思います。
だから僕にとっては、「多摩にある旧小学校」と言ったほうがイメージが良い印象があります。地方出身者や23区内育ちの人にはどっちを言っても遠いと言われてしまうかもしれませんが:->
僕は、この遠い校舎を使ってイベントをやるのはあまり賛成ではありませんでした。そもそも場所の効率が悪いので、スタッフも、参加者の人にも、登壇者の人にも来ていただくのが大変。そもそも忙しいスタッフが前泊で準備をするのです。そして、旧学校の教室と体育館を丸々使って行う秋のイベントは、すごく風情が良いのは間違いないのですが、小学校の教室というのは、自分たちが記憶で思ってるほど広くなく、それこそ100人ぐらい入るmixiさんの会議室などと比べても沢山の人数が入らないのです。
集客が大変な上、校舎を丸々お借りするのは決してお安くないのでROIも悪い。というか前回は赤字でした。それでもこの場所で続けているのは、極めて合理的な発想で物事を考えるWebsigモデレータ陣が「ここでやりたい」という気持ちがあったからに他なりません。そこには旧小学校という雰囲気を大事にしたイベントにしたいというコダワリがあるわけです。
さて企画チームとしてはそのような前提条件の中で、わざわざ一日参加していただくだけのパワーのある企画にすべく考えます。当然、2013年に行うイベントとして、今、あるべき姿を投影した1日学校にしなくてはなりません。
ネットがでてきてから、ネットビジネスを支えられる従来の企業というのはなかなか存在しませんでした。そこでWeb制作を支えていたのはWebの制作を専門で行う外注の会社、それがWeb制作会社です。また、Webでのビジネスを専門で行うネットサービス系の企業が出てきます。
インターネットとモバイルの普及と共に、Amazon.comを始め、Facebookやmixiなどネットサービス専業の企業は大企業になりました。しかし、例えば小売の人に話を聞いていると、イオンやイトーヨーカドー、コジマやヤマダなどの既存の小売大企業が、経営レベルでネットを無視できなくなってきたのは、実はまだこの2〜3年のことなのだそうです。ちょいちょい彼らによるアマゾン批判がでてきたのは、そういう背景があるのだと思います。
そういった中で、Webの存在価値はどんどん上がっているものの広報宣伝という視点を超えた真のネット活用はこれからということになるんだと思います。最近話題のオウンドメディアというキーワードもしかり、でしょう。しかし、インフラとしてのWebの存在価値が高くなるということは、必ずしも作り手の価値向上に繋がるわけではないということを皆さん実感されているのではないでしょうか?!むしろネットがもたらす価値が小さい頃のほうが、よっぽど高単価でボロ儲けできた時代があったわけです。
「Web制作会社はもっと減っても良い」という本記事のタイトルに書いたことが、ある種の裏テーマです。決してネガティブな意味ではありません。これをベースに考えたことが、イベントの登壇者リストにあらわれています。今回、メインの授業コースとして「受託の未来コース」と「サービスデザインの未来コース」という2つのコースを用意したのは、両者から得られる答えが本質的に変わるものではないであろうという想定で、今回のイベントに参加される皆さんが、意図的にどこのステージに立つか?!ということを改めて考えたいと思ったからです。
しかし複数の授業をパラレルで行うのにあわせて、複数のチケット購入プランを設けました。「受託の未来」と「サービスデザインの未来」を両睨みで確実に話を聞きたい人には「みっちりプラン」、それぞれのプランに専門的にコミットしたい人は「しっかりプラン」、更に個別授業も含めた授業をアラカルト的に参加して、イベント全体を楽しみたい人は「ゆったりプラン」として、参加していただきやすい価格設定しています。また、それ以外にも展示会などを企画して、せっかく小学校の校舎を使うのだから、楽しい会にすべく一同頑張っております。
「みっちり」「しっかり」にはそれぞれの対象プランに対して、教室への優先入場権(優先席ではなく優先入場権)がありますので、確実に聞きたい授業を聞くことができます。
ちなみに「サービスデザインの未来」コースで日本交通の川鍋社長に登壇していただくのは、今回僕が最初から登壇者のペルソナとして繰り返し言っていた方であることが起源になります。スマホでヒットする有料アプリの9割がゲームであるという現状、タクシー配車のモバイル・アプリで15億円もの売り上げを上げている日本交通さんは、ゲーム以外のスマホビジネスのトップランナーではないでしょうか?!また、おそらく現場で起きる様々なことを想像すると、決して導入は簡単なことではなかったことが想定されます。そして、このビジネスは栄枯盛衰の激しいスマホビジネスの中でも決して陳腐化することはありません。そういった部分のお話をお聞きできたらと思っています。
授業を構成する議論の中で、ここで書いたような問題意識は、実はWebSig代表の和田が、過去に行われたWebSig1日学校の冒頭のプレゼンで言ってきたことと全く同じだということがわかりました。もちろん、そういうWebSigにいるわけですから、そのことを僕が意図していないわけはありません。今回のテーマは特別新しいわけでも古いわけでもなく、WebSigが考えてきた、これまでのWebの未来への延長線にあることなのです。
時代の変化で何が残るのだろうか。前々回のテーマは「考えぬく」、前回のテーマは「温故知新」、今年のテーマは「Re-design:あたりまえになったWebを考えなおす」
これまで僕らはどういう価値を生んできて、今後どういう価値を生むことができるのだろうか?!そこにフォーカスすることで、今後、変化する社会の一員として自分自身が主役の一人として参加していくためには何が必要か?!参加者一人ひとりが感じる未来を、WebSig1日学校という機会で一緒に考えてみませんか?!