選挙における「ネット代表」なんていらない

選挙が終わりました。最終的に投票率は46%。雪が影響したのかしてないのかわからないけど、大体予想通りだったなぁ。去年も投票してんだよ。いい加減にしとけよ。

家入一真氏が東京都知事選に立候補。ネットを巻き込んだ大騒動になって欲しい」という記事を書いたんですが、家入さん頑張っておられましたが、大騒動というほどは残念ながらならなかったかな。

非常にまっとうな選挙活動に収斂して言った印象もあった。ツイキャスも最初は、普通のCASみたいな感じだったけど、途中から周りの指摘を受けて、やめていったようだし。

でも僕からすると、それこそが自然な印象で、言ってもペパボも人様のデータをお預かりするレンタルサーバーの会社ですからね。多くの人が勘違いしてるんだけど、彼がやることは、ぶっとんでるように見えて、非常にまっとうな選択をするわけです。でも、そこを面白く見せるセンスと実際とのバランス感が家入さんの魅力なので、それが今後認められていくことは、彼にとってプラスになるハズだ。

その上で改めて僕らが意識しなくてはいけないことは、家入さんはネットを活用して頑張られましたが、別にネットの代表ではないということ。世の中にはネットを使う人と使わない人がいて、ネットを使う人の方が彼の言動にアクセスしやすかったけど、だからと言って投票するかどうかは別問題。

僕は前の書き込みで、「ネット上で賛否両論が起きて投票率が上がるといいですね」と書いた。つまりネットでのbuzzを味方につけても、投票してもらえるわけではない。

だからこそネットでのカバレッジと、リアルでのカバレッジを両方獲得していく必要がある。今後の選挙で、信任を得ていくかどうかは今後の活動にかかっているだろう。

ちなみにツイキャスなどを活用している度合いなら、今回も前回も都知事選2位の宇都宮さんも負けてない。というかウツケンさんはツイキャスの活用度合いは結構すごかった。その場で聞かれたことにすぐ答えていて、やっぱり凄い人だなぁというのはツイキャスを通じて伝わってきた。

家入さんは、今回、彼が得意とするやり方で政策を作っていったのが画期的だったのだと思う。とはいえ他の候補者が、誰にもヒアリングせずに政策を作っているわけではないだろうから、やっぱり「ネットでオープンに意見を集めて、まとめた」という部分が肝だったのだろう。

こういうあり方はネットのやり方で言うとオープンソースという方法で新技術をブランディングしていく方法が定着している。オープンソースにコミットする人を通じて、多くの人に伝搬していくきっかけが生まれる。優れたプロダクトであれば関心も高く、手伝ってくれる人も、ユーザーも増え、有償の成功している製品の存在を脅かしたりする。それと同じような現象が、彼自身の今後の活動と成長に結びつけていけるのなら、周りも成長していくだろうし、すごく楽しみだと思う。

なお当然であるが、オープンである以上、他の人が美味しいところを持っていくこともあるかもしれない。次の選挙では、彼以外の誰かが同じやり方で駆け抜けていくこともあるかもしれない。それこそがオープンな世界の魅力である。そこで誰に投票するか?!というのは、その時に共感をした人に投票すべきであって、僕らがインターネットらしくあるのならば、既得権や特定思想に捕らわれずに、リスペクトしていける人に投票する、そこにネットだから云々は関係ない。それを前提に、次回も投票し続けるかどうかは、その時に決めることになると思う。

(もちろん僕は無条件で応援しますけどね。ただしそれが故のポジショントークになってしまうことは避けたいと思っています。)

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